山好きが嵩じて田舎に借りることになった山小屋に、コンポスト(生ゴミ処理場)が欲しいと思うようになりました。生ゴミを中に投入して自然に分解させ、いずれ作物の肥料としても使えるようにするための装置(容器)です。
田舎の家の庭先や畑では、バケツを逆さにしたようなタイプのコンポストをよく見かけます(上の写真のエメラルドグリーンに見えるものがそれ)。上のような露出した地面に埋め込むタイプ以外にも「手回し撹拌型」など様々な既製品があり、地方のホームセンターでは数千円〜1万円ほどで販売されています(サイズによって値段が違います。写真のタイプは結構大きい)。
クマ対策として笹で自作する
その山小屋の以前の家主さんは、生ゴミを家の周辺の「適当なところ」に捨てていたそうです。しかし自治体から近辺でのクマの目撃情報や、害獣対策として生ゴミをそのへんに捨てないように、という主旨のメール通知が来ていたので、対策したほうが良いだろうと思うようになりました。
しかしコンポストをホームセンターで購入するとお金もかかりますし、運んでくるのも大変です。そこで、里山にある身近な材料でかなり適当に自作してみたのがこちらのコンポストです。
家のまわりや裏山に大量の笹が生えているので、笹を材料にすることにしました。この笹というのが本当に厄介なもので、放置しておくと庭も畑もどんどん侵食されます。伐採して集めて集積しておいても、カサがあるので非常に邪魔です。しかも、葉の部分以外は簡単には朽ちてくれません。この笹を何かに有効活用できればなぁ、と考えていたところでした。
数十本の笹を刈り取って用意しました。これを地面に突き刺してまるい桶のようなかたちに仕上げることにしました。地面が少し固いので、剛性のある太めの笹を選び、木槌でコンコンと地面に突き刺していきました。
ホームセンターで売られているコンポストの多くはいわば「密閉型」で、フタも付属しています。そのほうが発酵・分解が早く(太陽熱も利用できる)、害虫や害獣も寄って来にくくなります。しかし海外でのコンポスト自作例を調べると、木製のパレットを利用したいわば「開放型」とでも呼べそうな構造のものを作っている方も多く、私もそれに倣うことにしました。
生ゴミを裏山にランダムに捨てず、一箇所にまとめるだけでも、ある程度の害獣対策にはなるはずです。しかしハクビシンやタヌキサイズの小動物が入ってこれない程度には、笹を密集させることにしました。ネズミやゴキブリ、小鳥などは余裕で入れてしまいますが、畑の母屋からかなり離れたところに設置したので、ここに小動物が集ってしまっても問題ありません。
補強材にも笹の柔らかいものを使う
地面に突き刺した笹の幹が暴風で倒壊しないよう、若い笹の柔らかくしなやかな幹を持ってきて、それをワイヤーに見立てて全体に巻き付けるようにしました。何かを参考にしたわけではなく、その場で適当に思いついたアイデアです。そのため見栄えは良くありません。近くにあったツル性の木の枝も少し活用して補強しました。
気が付くと高さが1m以上のコンポストに仕上がってしまい、5年10年使っても絶対にいっぱいにはならないのではないか、と思えるほど大容量のコンポストになりました。主に調理中に出た野菜の屑や、卵の殻といった分解しやすいタイプの生ゴミを捨てています。
畑の肥料として積極的に使うことはいまのところ考えていないので、密閉型コンポストほど効率的に中身が分解されなくとも問題ありません。量が増えてきたら、スコップでかきまぜます。コンポストというよりただの「生ゴミ置き場」という感じかもしれません。それでも必要な時には肥料として使えることでしょう。
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