交通

東海汽船の「条件付き運行」が欠航になった場合のキャンセルの仕組み:利島に上陸できなかった私のケース

伊豆諸島の島々に就航する東海汽船の大型客船やジェット船は、海況が悪い冬季や台風の季節に、よく欠航します。出港前に欠航が決定した場合であれば、インターネットで購入したチケットは自動的にキャンセルされる(往復券の場合は往路・復路ともに)ので悩むことは何もないのですが、「出港はするけれど島に接岸できるかわからない」場合、つまり「条件付き運行」の場合、運賃はどのようになるのでしょうか? 私の体験談をベースにまとめてみました。

東海汽船の「条件付き運行」

★マークは出港はするものの接岸・下船は保証されない「条件付き運行」。利島・式根島、また八丈島航路では珍しくない

条件付き運行で島に上陸できなかった。料金はどうなる?

結論から言うと、次のようになります。ここでは「利島」で降りる予定だった場合を想定して、いくつかのパターンを挙げてみます。

  • 東京港(竹芝桟橋)を出発し、利島に向かった。利島港にタラップがかからず、上陸できなかった(=利島行きの往路が欠航扱いとなった)。そのため、次の新島で降りることにした →通常の片道料金が発生する(ネット購入した往復チケットの場合、その後復路も欠航になった場合は復路分が自動的にキャンセルされる。しかし念のため船内の案内所に聞いてみたり、下船後に東海汽船のコールセンターに電話して確認するのがおすすめ。海況が原因で利用できなかった便については基本的に料金は発生しないのでその点は安心して良い)
  • 東京からの下り便で、利島港にタラップがかからず上陸できなかった。その船は神津島で折り返し、上り便になった。その上り便では、利島港にタラップがかかり、上陸できる状態になった。そこで、利島に上陸した →通常の片道料金が発生する(もし日帰りでの往復チケットを買っていた場合、船内の受付所に相談すると復路分をキャンセルまたは日程変更してもらえる)
  • 上のパターンで、上り便で利島に上陸できる状況にはなったが、船から降りなかった →そのまま東京港(竹芝)まで戻れば、竹芝の東海汽船の窓口で払い戻しをしてもらえる(この場合インターネット購入のチケットの場合でも、現金での払い戻しとなる。上り便で下船する義務はないとも言える)

つまり目的の島に上陸できなかった場合、出発地の港に戻るのであれば運賃は払い戻してもらえることになります。また、下り便で上陸できなかった場合、仮に上り便(2回目の上陸チャンス)で上陸できる状況になったとしても、必ずしもそこで下船する必要はなく、払い戻してもらえます(日帰りでの旅行を計画していた場合、こういうパターンが発生します)。

「利島がダメだったか。なら新島で遊んでいくことにするか」というような感じで目的地の島を変更し、そこで下船した場合は、その島までの料金がかかることになります(差額は船内の案内所で調整してもらえます)。

さて、これだけでは若干わかりにくいと思うので、筆者が実際に経験したキャンセル事例を次に紹介したいと思います。

利島に上陸できなかった私のケース

2025年2月上旬、筆者は東京港を22時に出発する大型客船「さるびあ丸」に乗り、利島に向けて出発しました。最大の目的は宮塚山(標高507.5m)歩きでした。

西高東低の気圧配置のなか、直近で利島に上陸できそうな唯一のチャンスとも言えそうな日を選びました。利島では一泊しようと思ったのですが、椿シーズンということもあってか宿はどこも満員だったり電話が繋がらなかったりしたので、朝7:40に利島に上陸後、約4.5時間の行動時間で宮塚山を歩き、同日昼12:50分に出発するさるびあ丸の上り便で東京に戻る予定でした(仮に上り便が欠航になった場合は、現地でなんとかするつもりでいました)。

利島

海岸がなく、就航率が異様に低い要塞のような利島

朝7:40。さるびあ丸は予定通り、利島港の埠頭になんとか接岸できました。天気も良く、問題なく着岸できるように見えました。

利島での接岸作業

しかし、やったやった〜!と、船の下船口で喜んでいたのもつかの間、すぐ目と鼻の先でタラップをかけようとしていた東海汽船のスタッフさんが「ダメ!」と叫ぶのが聞こえました。なんと船自体は桟橋に接岸できたものの、波のうねりが大きく船が上下に動揺し、タラップをうまくかけられない、かけられても乗客が安全に移動できないという判断になったようでした。

利島港

桟橋は目と鼻の先に!しかし乗客の安全が優先されるので致し方なし。それにしてもここまで接岸できていても下船できないパターンがあるとは…

本当に無念でした。しかし冬のこの時期、利島・御蔵島・式根島・青ヶ島は欠航率が異様に高いことは承知していたので、致し方ありません。ダメもとでワンチャン上陸できれば、という気持ちでやってきていました。

私はそのまま船に乗り続けました。折り返し地点の神津島では船内のクリーニング作業があるので、その時は一時的に船室(二等和室)を離れてくださいとのアナウンスがあったので、甲板や船内レストランで過ごしました。本当に天気の良い日でしたが、天気が良くても風や波が高ければ船は欠航になってしまいます。それも本当にギリギリまでどうなるか誰にもわかりません。

神津島

船が折り返す神津島を眺める。天上山はバッチリ晴れ

その後は、復路用に買っておいた二等座席ではなく、往路の二等和室をふたたび使わせてもらえました(往路で借りていた毛布とマットレスは、船室のクリーニング後もそのまま残しておいて下さいました。一度返却するのかなと思っていたので、このはからいはすごく嬉しく思いました)。

PRIMAREXのマットレス

はじめてレンタルしたPRIMAREXのマットレスと毛布は復路でも使わせてもらえて嬉しかった

東海汽船「さるびあ丸」の2等和室でレンタルできる高級マットレス「PRIMAREX」を試してみた感想
東京港(竹芝桟橋)から神津島方面に就航している東海汽船の大型客船「さるびあ丸」。その2等和室でのみ借りられる「PRIMAREX」という高級マットレスを試してみました。海上保安庁の船でも同じ素材のマットレスが採用されているのだそうです。1回1...

さて、その後上り便となったさるびあ丸は、お昼にふたたび利島への接岸を試みました。しかし、私はその日は利島での宿を予約していません。仮にうまく上陸できる場合、利島からさるびあ丸に乗りこんでくる乗客のことを考えると、民宿にはギリギリ空きができるだろうとも思ったのですが、その日以降の気圧配置を考えると、利島からふたたび船に乗れるまで3〜5日ほどかかる可能性が高いと思えたので、断念しました(最悪の場合は利島から伊豆大島へヘリコプターで移動する方法はあるのですが、この時は諸事情で見送りました)。

そしてこの時… なんと、この下り便では利島にタラップがかかりました!無念です。上り便でうまくタラップがかかっていたら、4.5時間という限られた行動時間ながらも利島の宮塚山を歩けたのに… しかし仕方がありません。これが冬の伊豆諸島です。利島から乗り込んでくるお客さんは10人近くいたと思うので、その場で下船を決断しても夜にどこか泊まれたと思いますが、やはりいつ帰ってこられるかわかりません。総合的に判断して、今回の利島旅は見送ることにしました。

利島港

上り便ではタラップがかかった!なんとももどかしい

その後、往路の二等和室をそのまま使わせてもらいながら、東京・竹芝桟橋に到着。下船する時、いつもなら乗船券を係員の方に手渡すのですが、この時は事情を説明すると「券を持ったまま受付に行ってください」と言われたので、切符売り場に向かいました。そこでは現金で往復チケット分を払い戻してもらえました。インターネットで購入したチケットは、そのままカードに課金され、現金での払い戻しとなる仕組みでした。

乗船中、さるびあ丸のスタッフさんや船長さんは同情して下さって親身になってくださいました。利島上陸こそ叶いませんでしたが、この日はさるびあ丸の中で一日読書。快適な船の旅となりました。東海汽船は、やっぱりいい会社です。

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