東京都のキャンプ場キャンプ場紹介・利用体験記

八丈プラザ公園キャンプ場に泊まってみた感想:港から遠いけれど鳥と虫の声を堪能できてスーパーも近く!景観も素晴らしい

八丈島の「八丈プラザ公園キャンプ・BBQ場」を利用してみたので、現地の様子やテント泊してみた感想を書いてみます。八丈島には宿泊可能な無料キャンプ場が2つあり、1つは東海汽船の大型客船が寄港する底土港のすぐそばの底土野営場。もう1つは今回ご紹介する、底土港からはだいぶ離れているのですが大賀郷の市街地に近い「八丈プラザ公園」内のキャンプエリアです。

八丈プラザ公園キャンプ場

底土野営場は海のすぐ近くなので波音を楽しめますが、こちらの八丈プラザ公園キャンプ場は鳥の声と虫の声を堪能できる里山のふもとにあり、どちらもそれぞれの良さがあります。

八丈プラザ公園キャンプ場の利用方法

まずは手短に利用方法から。事前の利用申請が必要なので、八丈プラザ公園キャンプ・BBQ場公式サイトのお問い合わせフォームから必要事項を送信します(電話での申し込みも可)。

筆者の場合は翌日にはメールで返信をいただき、テントを張る区画をご指示いただきました。折り返し、申請書にあらためて必要事項を記入して返信しました。料金は無料で、管理人さんはいないサイトです。

なおキャンプ場というよりは、一般の多くの方々が利用する「町内の普通の公園」の一部がキャンパー向けに開放されているというイメージで、早朝から遅くまで多くの方が公園内を散歩されています。利用にあたっては地域住民の方々への配慮を忘れないようにしましょう。

チェックインは午前10:00以降、チェックアウトは午前9:30まで。設備的には炊事場とトイレがあるのみ。底土野営場と違い、シャワーはありません。焚き火は焚火台があったとしてもNGですので、炊事をする場合はストーブを使用するか、事前にBBQ利用の申請をしておくと良いでしょう。

追記:現地には「焚火禁止」の看板があったと思うのですが、予約時に送付される利用規約には「直火はできません。コンクリート床板の上で、各自の焚き火台等を使用してください」とあるので、指定区画内の小さいコンクリート床板なら焚火台を使っても良いようです

↓ この上なら焚火台を使ってもOKだそうです

八丈プラザ公園キャンプ場のコンクリート床板

八丈プラザ公園キャンプ場へのアクセス

八丈プラザ公園キャンプ場へのアクセス情報です。地図のみを頼りにするとかなりわかりにくい場所にあるので、要注意です。住所的には「八丈町大賀郷1408-3」となります。

■ 八丈プラザ公園キャンプ場付近の地理院地図(拡大・縮小できます)。

八丈一周道路(215号線)沿いの小道に入ってからアクセスするのですが、現地には「八丈プラザ公園キャンプ場はこちら」といった看板は一切ありません!

現地の方に道をお伺いしたところ「歯医者さんのとなりの道」に入ることがわかりました。しかしその「歯医者さん」も看板が出ているわけではありません! 現地の方々にとっては当たり前すぎる場所であるせいか、観光客にとっては探しにくいかもしれません(旅のあるある)。

目印となるのは「大脇前」というバス停です。このバス停の前には「おおわき」という現地では有名らしい居酒屋さんがあります。その「おおわき」さんの隣には「宇喜多秀家の墓」があり、向かい側には「浅沼周蔵商店」があります(下の写真の右の店舗)。浅沼周蔵商店の道向かいにあるモスグリーンの屋根の家が歯医者さんです。このあいだの小道に入ります。

八丈プラザ公園キャンプ場への道

道はやがて分岐するのですが、「不精庵髪切居士」という洒落れた名前の理髪店のほうに直進します。

八丈プラザ公園キャンプ場への道

道なりに行くと八丈プラザ公園に着きます。入口は基本的にここだけだと思います(奥に抜ける道はありそうでしたが、筆者が歩いてみた時は幹線道路に出る方法がわかりませんでした)。

八丈プラザ公園キャンプ場

八丈プラザ公園キャンプ場に泊まってみた

さて、八丈プラザ公園はどんなレイアウトになっているのでしょうか。ここからは2023年7月、筆者が実際に泊まってみた際の現場の模様と感想をお伝えしていきます。

下の看板で、「入口」と注記したところに到着します。入口のすぐそばには駐車場があり、公園の奥にも園内道路を通っていけるクルマ2台分ほどの小さい駐車場があります。入口のすぐそばにトイレがあり、テント場は公園の最奥部になります。「区画1〜3」と「区画4〜6」と注記したところがテント場です。

八丈プラザ公園キャンプ場

テント場のさらに向こうに炊事場があります。調理に使える大きいテーブルが3つと流し台があります。炊事場から公園の入口方面を眺めた様子が下の写真です。私のテントは「区画2」が指定されていました。しかしこの日、私は「区画2」の具体的な位置がわからず、後で気付いたのですが「区画1」と「区画2」にまたがるようにテントを設置してしまいました(大変申し訳ありません)。

八丈プラザ公園キャンプ場

他の方がいらしたらすぐにテントを移動するつもりだったのですが、幸い筆者の利用時は完ソロでした。テントサイトの足元をよく観察すると、区画を示す岩が埋め込まれています。たとえば下は「区画5」で「ムロアジ」というニックネームで呼ばれているようです。草が伸びていると気付きにくいのですが、全区画にこういう可愛らしい石があるので、確認してみましょう。

八丈プラザ公園キャンプ場

筆者が確認した限り、テントサイトは全部で6区画でした。おそらくコロナ以前はもっと公園の入口側にもテントを張れたのかもしれませんが、現在は6区画ということなのだと思います。

サイトは完全な平地で、テントはかなり張りやすく、小石などもないため整地の必要もありません。ただ、八丈島は風が非常に強い日もあるので念のためペグダウンはしたほうが良いとは思います。

公園の奥は裏山になっています。熱帯らしい木でこんもりとした素敵な里山です(中に入っていく道はないようでした)。

八丈プラザ公園キャンプ場

八丈プラザ公園の特徴は、入口から写真上の里山に向かって段々畑のように、ゆるやかに高くなっていくところです。

八丈プラザ公園キャンプ場

横から見るとこんな感じです。テント場からトイレまではまあまあ歩く感じです。ちなみに利用申請時に「夜間照明のあり・なし」を選ぶのですが「なし」を選択しても、トイレまでの道と炊事舎には明かりが灯されていました(ありがたい)。

八丈プラザ公園キャンプ場

炊事場はとても広々としていて、清潔で気持ち良く使えました。観光客に限り、ゴミは分別して捨てることができます。捨て方には細かい指示があるので守りましょう。

八丈プラザ公園キャンプ場の炊事舎

こちらは入口近くのトイレです。小用のほか、誰でもトイレがあります。

八丈プラザ公園キャンプ場のトイレ

誰でもトイレはかなり広く、清潔です。

八丈プラザ公園キャンプ場のトイレ

ふたたび公園奥の裏山へ。ここは鳥が本当に多く、ずっと鳴き声が聞こえて素晴らしかったですよ。鳥好きの方にはたまらないと思います。鳥にあまり詳しくない私でもアカコッコ、カラスバトのほか5〜6種類の鳥の声が識別できました。八丈島は鳥の楽園です。

八丈プラザ公園キャンプ場

虫の音もすごいです。日が暮れると一斉に鳴きやむのですが、そのあと少しづつ「夜の部」がはじまり、夜行性の虫たちが朝まで静かにリンリン、チリチリと鳴き続けます。海のそばの底土野営場とはまったく違う魅力のある、素晴らしいキャンプ場でした。

筆者が都内に帰る朝、犬の散歩をされていた近所のご婦人に「八丈島はいかがでしたか」と聞かれました。突然だったので「素晴らしかったです!」としか答えられなかったのですが、「ここは鳥や虫の声が本当に素晴らしいところですね、素晴らしいところにお住まいですね」とお答えしておけばよかった、と今になって思います。

まとめ:底土野営場との違い

登山・ハイキングを主な目的として八丈島を訪問する場合、八丈富士から近いのは底土野営場です。底土港からも歩いてすぐの距離にあるので、アクセス面での利便性は底土野営場のほうが良いです。一方、八丈プラザ公園キャンプ場は三原山登山の時に歩く防衛道路が近いところが魅力です。また公園からは八丈富士と八丈小島がよく見えます。夜は星もきれい。

八丈プラザ公園キャンプ場

また底土野営場の場合、近くにはスーパーがありません。しかし八丈プラザ公園キャンプ場は「あさぬま」さん(全日食チェーンのスーパー)などが近くで、お惣菜のほか八丈島産のお刺身なども手に入ります。スーパーで食材を入手して自炊したい方には八丈プラザ公園キャンプ場のほうが魅力的でしょう。

■ 私も今回はスーパー「あさぬま」さんでおいしいお刺身を買ってこの公園で食べました。美味しかった… 八丈島の魚はレベル高すぎ。都内の近所のスーパーで売っているお刺身が食べられなくなるほどの鮮度です

八丈島産のキハダマグロとこます

一点のみ留意事項があるとすれば、八丈島は高温多湿なので、シャワーのない八丈プラザ公園キャンプ場を利用する場合は、身体を拭くグッズを十分に用意しておくことをおすすめします。水道があるのでタオルを濡らしてテント内で身体を拭いたり、シューズもインソールを外して夜間に風通しの良いところに置いて乾かしておきましょう。夏場は特にそうです。

■ こういうもの↓があると便利です

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また夏場なら寝袋などまったく不要なレベルの気温ですが、明け方はぐっと冷え込んで寒さを感じることもあるので、さっとかぶれる薄いトラベルシーツなどはあったほうが良いです。あと、余裕があるならタープもあったほうが快適かと思います(直射日光がきつい。雨の日も多いため)。

底土野営場と八丈プラザ公園キャンプ場、どちらも甲乙付け難いです。どちらもまた利用することになると思います。

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著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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