江東区の区立若洲公園キャンプ場を利用してみたので、予約方法・現地のようす・泊まってみた感想をご紹介します。最初にざくっとまとめると、高速道路が近くを通っているのでやや興醒め感はあるのですが、海がすぐそばにあるのは良く、売店は大変充実しており近くにコンビニもあって運営は親切丁寧。キャンプ初心者の方には特におすすめできる施設です。
若洲公園は埋立地の上に造られた公園であるため、自然感は乏しいのですが、近郊に住んでいる方であれば「のんびりした休日」を楽しむのに良いと思います。
若洲公園キャンプ場の利用方法とアクセス
若洲公園キャンプ場は完全予約制で、予約はインターネットで完結します。主要なページのリンクは以下の3つ。1と2で施設の概要や約束事を理解してから、3のサイトで予約します。
予約サイトでは「予約はこちら」をクリックした後のページで「1ヶ月表示」を選ぶと「◯日に6x8mサイトが残り◯サイト」といった空き状況が表示されるので、見やすくおすすめです。
予約が完了し、内容に問題がなければ後日受付完了メールが届きます。予約内容はスタッフさんが人間の目で確認されているようで、問題がある場合は電話が来ます。筆者の場合、誤って「休場日」にチェックアウトするような日程を組んでしまったのですが(システム上できてしまった)、連絡をいただき予約しなおしました。
休場日は基本的に毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)。チェックインは16時まで、チェックアウトは10時まで。料金は大人1泊600円で、どのサイズのテントサイトでも同じ料金です(連泊すると少し安くなります。最大3泊まで)。
アクセスは、クルマの場合は首都高湾岸線木場ランプ。徒歩の場合は新木場駅から都バスが出ています(歩くと30〜40分かかる思います)。
若洲公園キャンプ場に泊まってみた
筆者は2023年12月に若洲公園キャンプ場を利用させていただきました。
まずはキャンプ場のサービスセンターでチェックイン。必要事項に記入して料金を支払うと場内マップを渡され、自分に割り当てられた区画を教えてもらえます(区画は自分では選べず、この時はじめて明らかになります)。
その後、下のキャンプ場入口に移動。東京ゲートブリッジの昇降施設の近くで、公園内のサイクリングロード沿いにあります。
下がキャンプ場全体図です(クリックで拡大します。公式サイトのデジタル版はこちら)。敷地は広大で、117張りまでのテントに対応します。
すぐそばを東京ゲートブリッジに至る高速道路が通っているため、クルマの音が夜でも聞こえるのが最大の短所といえば短所です。爆音という感じではありませんが、就寝時は耳栓を使ったほうが快適でした。トイレは4つもあり、どの区画からも遠くありません。どれも古いトイレでしたが、大切に維持されている印象があり、清潔でした。
私に割り当てられたテントサイトは海側で、調理用の野外炉もすぐそばの好スポットでした(完全に一等地)。この日はDoD ライダーズワンポールテントを設営。ヘリノックスのグラウンドチェアやミニ焚き火台の「秘密のグリルちゃん」を持参して、ただのんびり過ごしにやってきました。
テントサイトの大きさは様々あり、最小サイズは「5x6m」なのですが、私はこの日DoDテントの前庭を広げてタープ的にも使いたかったので、ひとつ上の「6x8m」サイトを申し込んでいました。
ただ後になってから知ったのですが、6x8m以上のサイトは本来ソロでは使えないようです(2〜3人用)。恐らく閑散期だったこともあり、ご配慮で許可していただいたのかなと思います。柔軟な運営に感謝いたします。
テントサイトは丸太で区切られており、番号が記されています。ペグは区画からはみだしてはいけません。取り除くような石はほとんどなく、地面はどこも水平で、設営は最も簡単な部類に入りました(ちなみに東京のキャンプ場で設営が最も難しかったのは神津島の多幸湾公園ファミリーキャンプ場)。
釣り施設に至るサイクリングロードとキャンプサイトは木柵で隔てられており、ここをまたいで道に出てはいけないことになっています。獣道のようなショートカットもありません。出入口は正面玄関の一ヶ所のみ。
キャンプサイトの中心に池があります。しかし近付くことはできません。カラスの姿が見えますが、数はそれほど多くなかったです。
池の近くには使用済みの炭を捨てられる場所があります。なお若洲公園キャンプ場ではゴミを捨てることができません。ゴミはすべて持ち帰るルールとなっています(サイト内に自販機があり、そこで買った飲料の空き缶やペットボトルは捨てられます)。
キャンプ場入口の向かいに「若洲アウトドアセンター」という売店がありました。品揃えが驚くほど充実していて、カップ麺のような軽食やお菓子のほか、ソーセージやハム、缶詰、冷凍肉、アイスクリーム、アルコール飲料、着火剤やガス缶、テント用のペグまでありました。薪や炭の販売もあります(炊き火については後述)。また、この隣にコインシャワーもありました。
用品は販売以外にレンタルも行っています。さらに若洲海浜公園の近くには「PORT STORE」というファミリーマート系のコンビニ(24時間営業)もあるので、食料・飲料の調達で困ることはまったくないと言えます。しかし生鮮食料品を売っているスーパーは新木場駅から下にはないので、本格的な料理を楽しみたい場合は持参したほうが良いでしょう。
若洲海浜公園は人気の釣りスポットということもあり、このキャンプ場を拠点にして釣りに出かけていく方々も何人か見かけました。東京ゲートブリッジの下に伸びている釣り施設は夜9時に閉鎖されますが、その他の場所では24時間釣りが楽しめます。
キャンプ+夜釣り、好きな方にはたまらない組み合わせですね。ちなみにこの釣り場には野良猫が数匹住んでいて、キャンプサイトにも遊びにくるので食料の管理はしておいたほうが良いです。釣り人が小さい魚を猫に与えているのを何度か見ましたが、おいしくないのか、ちょっと噛んだだけで食べるのをやめていた姿が印象に残っています。
焚き火台はOK?
さて、若洲公園キャンプ場では「焚き火台を使った焚き火」はしても良いのでしょうか。「キャンプ場あるある」ですが、グレーなところがあります。現地看板の利用規約を厳密に解釈すると、ダメなのかな、と思いました。公式サイトを読んでも、厳密に考えると不可のように思えました。
しかし公式サイトのQ&Aコーナーには「焚火台を使って小規模なものであれば可能です。直火が禁止なので、焚火の熱で地面等が焼けないようにしてください。」という記述もあります。
つまり、心得があって常識的な内容なら許容されるのだろう、と私は解釈しました。ほとんどの人が焚き火台を使った焚き火を楽しんでいました。後はご自身のご判断で。なお小さい枯れ枝のような自然資源は皆無なので、薪はアウトドアセンターで買うのが良いでしょう。小さいネイチャーストーブを楽しめる程度の燃し木も、落ちていない印象でした。
私の場合はこのキャンプ場で裸火を扱えないのなら行く理由はほぼなくなってしまうので、上のQ&Aコーナーでの説明にはほっとしました。今後もマナーを守った上での小規模な焚き火が楽しめると助かります。
キャンプデビューしたい方には最適
神津島の多幸湾公園ファミリーキャンプ場のような星空が見えるわけでもなく、橋を往来するクルマの音も聞こえるため「豊かな自然」という感じはほぼないのですが、夜はビール片手に人口磯沿いの遊歩道を散歩しながら海を眺めると、とても気持ちが良いです。新島の羽伏浦キャンプ場ほどではないものの、広々としているところも良かったです。
利用者はクルマで大型の薪ストーブテントを運んできて設営されている方、私のようにソロで小さい焚き火でグリル料理を楽しんでいる方、日帰りでバーベキューを楽しむグループなど様々。昼はレンタサイクルで公園一周するのも楽しいと思います。
キャンプ場というよりも、隅々まで管理が行き届いている都市型のレクリエーション施設、リラックス施設、という雰囲気です。キャンプデビューしたい方がテント設営の練習をしたい場合などにも安心して使えると思いました。
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