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Helinoxのグラウンドチェアを買う前に知っておくべきこと【買ってはいけない人もいる】

4.5

Helinox(ヘリノックス)の折りたたみ椅子「グラウンドチェア」を長らく愛用しているので、感想を書いてみます。非常に満足感の高い製品で、基本的には誰にでもおすすめしたいのですが、積極的におすすめできない人もいます。このチェアの良いところ、少し気になっているところ、両方紹介していきます。

座面の低さが最大の特徴

このモデルはHelinoxのチェアの中で「座面が最も低い」ところが最大の特徴です(座面高はなんと22cm!)。しかも背もたれがあるので、自然環境にある岩や倒木、芝生などに座る時には得られない独特な視点・視界で風景を眺められるのが魅力的です。ロータイプのソファにもたれている時の感覚に似ています。スポーツカーのバケットシートのようだ、とも言えるでしょうか。まず、この姿勢と視界が唯一無二です。いつもの風景でも違うふうに見えてきます。

Helinox アウトドア グラウンドチェア

さらにこの低さだと、低めに張ったタープの下に置いて使っても、頭が天井にぶつかりにくいのです。そこもまた大きい長所です。

重さは付属のポーチ込みで650g(実測)。収納時の横幅は30cmほどなので、大型ザックに入れて運べる重さ・サイズ感です。私は「今日はあそこで椅子に座って1〜2時間のんびりしようかな」と思った時など、ハイキングに持っていくこともたまにあります。複数日テント泊する山行やキャンプでは、ほぼ欠かさず持っていきます。

Helinox アウトドア グラウンドチェア

両サイドはメッシュになっていて、風通しが良いところも長所です。あとは雨に濡れても雑に拭いておけばわりとすぐ乾きます。運用上の注意点としては、軽量なので風に飛ばされることがあるため、テント場を留守にする時などは水のボトルなど重いものを上に置いておいたほうが良いです。

組み立てや分解も簡単です。各ポールの中にはバンジーコードが通されているので、説明書を読まなくとも直感的に組み立てられると思います。折りたたみ式のトレッキングポールを組み立てるのと同じ感覚ですね。ヘリノックスを製造するDAC社は高級テントメーカー向けにポールを卸していることもあり、フレームの品質はさすがに高いと思います。

砂地や石の多い地面でもよく使っていますが、フレームに傷が付くことはあっても壊れてはいません。丈夫な作りだと思います。

腰が痛い時だけ要注意

座り心地も非常に良いです。しかし! 腰痛をお持ちの方には、このグラウンドチェアはおすすめしないかもしれません。私は特に腰痛持ちというわけではないのですが、キャンプ場でテントを設営したり、焚き火の準備をしていたりすると、たま〜に腰にジワジワとダメージを感じることはあります(キャンプの悩みあるあるですね)。そんな時このグラウンドチェアに「雑に」座ると、腰の痛みが悪化することがあるように感じたのです。

Helinox アウトドア グラウンドチェア

腰の調子が万全な時は全く問題なく、素晴らしい座り心地なのですが、腰に問題を抱えている方はその点だけ少し注意されたほうが良いかもしれません。私は逆に、このヘリノックスを使う時はキャンプ場での設営で腰に負担がかからないよう、注意して動作することにしています。

ちなみにヘリノックスのポータブルチェアシリーズでは、もう少し座面が高い「チェアゼロ」や「チェアワン」といったモデルもあります。そのうち「チェアゼロ」は、標準的なチェアシリーズの中では最軽量です(490g。ただし「チェアワンミニ」というモデルは450gはミニサイズながらさらに軽量)。

ウルトラライト志向の方、腰に不安がある方はチェアゼロを検討しても良いかもしれませんね。私はこのグラウンドチェアのめっちゃ低い座面がかなり気に入っているのですけれども。

また、私がこれまで座ってきたヘリノックスのチェアの中で、いちばん座り心地が良く感じたのは「カフェチェア」というモデルです(座面が高い普通のチェアという感じのタイプ)。しかしそちらは重さが1.3kg(バッグ込みで1.4kg)もあるので、ハイキングのような徒歩移動で持ち歩くのは現実的ではありません(車載キャンプにはバッチリだと思います)。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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