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SUMMILUX 9mm/F1.7はどのくらい広く撮れる? 12mmとの画角の違いを山で試してみた

LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. H-X09(以下SUMMILUX 9mm)は「どのくらい広く」撮れるのか、についてだけ考えてみる記事です。SUMMILUX 9mmは35mm換算で18mmの超広角、しかも大口径F1.7。小さく軽く、防塵防滴でありながら値段も安い… と、発売直後から注目度の高いマイクロフォーサーズのレンズ。山歩きが好きな方にも歓迎されていると思います。

SUMMILUX 9mm

この記事ではOLYMPUSの標準ズームレンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROの広角側・12mm(換算24mm)と実際の画角を比較してみます。

後退できないシーンで本領発揮

下の写真は、埼玉県の有間ダム(名栗湖)をSUMMILUX 9mmで撮ったものです(この日は棒ノ折山に登りました)。機体はLUMIX GF5という、10年前に出た1210万万画素のエントリーモデルです。植え込みの手前に縁石があり、その上に乗って撮りました。

SUMMILUX 9mm

一方下の写真は、OLYMPUS 12-45mm F4.0 PROの12mmで撮ったもの。どちらが広いかは一目瞭然。もっと広く撮りたいのであれば、後退して遠くから撮る必要があります。しかしこの時は縁石に立って少し高い位置から撮っていたので、後退して撮った場合、有間ダムの湖面が入らない状況でした。「後ろに引けない」時はやはりSUMMILUX 9mmが活躍します。

OLYMPUS 12-45mm F4.0 PRO

下はSUMMILUX 9mm + GF5で撮影した棒ノ折山山頂の桜の木です。

SUMMILUX 9mm

下は12-45mm F4の12mm側 + E-M5 mark IIIで撮影。この山頂はかなり広いので、後退すればこのレンズでも画面いっぱいに桜の木を入れられなくもないのですが、同じ位置から撮った場合の画角の違いのご参考になればと思います。ちなみにこの日、このオリンパス機材の組み合わせは何か調子が悪く、解像感が低い写真になっています(普段はもっとカリッとしています)。

※(2023/4/11追記)写真のリサイズ時に圧縮品質に問題があったようなので入れ替えました↓

12-45mm F4

同じ桜の大木を反対側から。下はSUMMILUX 9mm + GF5で撮影。画角の話から少し逸れますが、この8mm F1.7はOLYMPUS E-M5 IIIよりも10年前の1210万画素LUMIX GF5で使ったほうが良好な仕上がりになることが多い印象を受けます。この写真は「GF5でもこんなに解像感あるの?」と少し驚きました。サブ用に中古で買ったカメラなのですが、期待以上に使えます。

SUMMILUX 9mm

下は同じ位置から12-45mm F4の12mm側とE-M5 mark IIIで撮影したもの。SUMMILUX 9mmは「周辺の情報を伝える」という意味で大きく秀でてはいますが、この12mmの場合も「桜の大木」という主題を引き立てて撮りたい時は決して悪くないと思います。

12-45mm F4

下もSUMMILUX 9mmですが、機体はE-M5 mark III。これは別の山、秩父御嶽山の山頂です。この小さい祠にかなり寄って撮りました。超広角レンズなのでパースが付いてデフォルメされていますが、この場合はダイナミックな仕上がりになったのではないかと感じています。

SUMMILUX 9mm

この祠は、少し離れた距離からはこんな姿をしています。これは12-45mm F4の12mm側とE-M5 mark IIIで撮影したものですが、石段の上が狭いので同じ目線を保ったまま後退し続けることはできなかったのです。そのため、上の写真はやはりSUMMILUX 9mmの画角でなければ撮れなかったものです。

12-45mm F4

これからも使い続けるだろうか?

ハイキングや登山をしていると「これ以上後ろには引けない」というシチュエーションは非常に多く、そういう時にSUMMILUX 9mmの画角はやはり便利だなと思います。

一方で換算24mmから90mmまでをカバーするOLYMPUS 12-45mm F4(私のメインレンズ)は、この記事で紹介した写真に限っては解像感がいまひとつの作例になりましたが、PROレンズらしい解像感・色収差の少なさが際立っており、主題を引き立てる高い表現力を持つ素晴らしいズームレンズだと感じています。

というわけで、最近の山行にはどちらのレンズも携帯しているのですが、行動中のレンズ交換はやはり面倒なので、SUMMILUX 9mm + LUMIX GF5と12-45mm F4 + E-M5 mark III(写真下)の2台体制です。SUMMILUX 9mm + LUMIX GF5は超軽量で邪魔にならないところも気に入っています(GF5は防塵防滴ではないけれど)。

E-M5 mark IIIと12-45mm F4 PRO

SUMMILUX 9mmを今後も使い続けるかどうか。使い続けると思います。使いはじめてすぐは微妙に感じる時もありました。SUMMILUX 9mm/F1.7を登山で使ってわかった長所と短所 伊豆大島での使用例と感想という記事でも書いたのですが、逆光に弱いところはあり、コントラストが強すぎる環境だとパープルフリンジも目立ちます。

SUMMILUX 9mm/F1.7を登山で使ってわかった長所と短所 伊豆大島での使用例と感想
登山・ハイキングでの活用を考え、マイクロフォーサーズの新レンズ「LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH. H-X09」を入手しました。35mm換算で18mmの超広角・F1.7の大口径でありながら非常に小型軽量なレンズ...

しかし最近LUMIX GF5で使っていたところ、どうもフリンジはボディとの相性があるような気もしてきました。GF5は10年前の古いカメラですが、それでもE-M5 IIIとの組み合わせより少し良い感じに仕上がる気がしています。

機材を簡略化する場合、OLYMPUSの8-25mm F4.0 PROも気になるところですが(換算16mmだとはるかに広大な風景が撮れる)、お店で手に取ってみたところやはり大きさと重さがネック。12-45mm F4は小型軽量で岩にもぶつけにくいですし、90mm相当の中望遠も撮れる。やはり当分はSUMMILUX 9mm + 12-45mm F4がメイン機材になりそうです。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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