ウェア・シューズ登山用品の話題

ほぼ裸足感覚のサンダル「XERO SHOES GENESIS」をキャンプ用に買ったら歩行を見直すきっかけに 普段使いにも挑戦したい

5.0

XERO SHOES GENESIS(ゼロシューズ・ジェネシス)というサンダルの感想記事です。ゼロシューズのラインナップ中、最もシンプルでスタンダードなモデルとされています。最大の特徴は「裸足に近い感覚」と言えるでしょうか。単に便利なだけでなく、全く新しい歩行感覚が得られるサンダルです。慣れてくると、すごくおもしろい。

XERO SHOES GENESIS

私はもともとテント場でのシューズの脱ぎ履きを楽にして、かつリラックスした時間を過ごし、歩行後はシューズを乾かしておく目的もあって幕営地ではサンダルを使うことにしたのですが(この季節は特に蒸れと湿度によるシューズの細菌繁殖が心配)、そんな時に最近いちばん使っているのがこのジェネシスです。

軽量でダイレクトすぎる接地感

テント場での使用をメインと考えていたので、まず軽量であることが私には大事な要素でした。重さは実測で片足119g(筆者はサイズM6・24cmを購入。サイズ感については後で触れます)。超軽量とまでは言えませんが、十分に軽量です。極薄なのでザックにも入れやすいですし、その気になればくるっと丸めて筒状にすることもできる柔らかさです。

XERO SHOES GENESIS

しかし薄いだけあって接地感・歩行感は超ダイレクト。履きはじめたばかりの頃、クッション性はほぼ皆無と感じられ、俺はこれに慣れられるのだろうか… と少し心配になりました(結論からすると、慣れられました)。

ちなみにソールは薄いものの、ソール自体は8000kmまでの使用が保証されているそうです(ヒモなどは保証の対象外)。

サイズ選びは要注意

ゼロシューズのサンダルは、一般的に普通のシューズに比べてワンサイズほど下を選ぶことになると思います(あくまで一般的な傾向です)。かかとの端から、いちばん長い指の先(筆者の場合は中指)までの実測長に最も近いサイズを選ぶのが基本。私の場合、それは24cmでした。普段のハイキングシューズ・トレッキングシューズ・トレランシューズは大体どれも25cmジャストを選ぶことが多いです。

ゼロシューズ・ジェネシスのサイズは、23cm〜29cmまでの1cm刻み(ハーフサイズはない)。普段のシューズが25cmの私が、24cmのゼロシューズ・ジェネシスを履いた時の写真が上で、ジャストフィットではあるのですが、本当にジャストなので指がはみ出ている時もあります。ただそれで気になることはなく、もし25cmを選んでいたら少し大きすぎたようにも思います。

ただ、ぴったりフィットにするか、余裕を持たせるかは人によって悩むところかもしれません。私はゼロシューズの指示通り、壁際に寄せた紙の上でかかとから最も長い指先までの長さを計り、マーキングして、それを定規で測ったとおりのサイズを選んでOKでした。

なお私のジェネシスのシューズ裏には「M6/W7」という刻印があります。ジェネシスはユニセックスのモデルなので、23cmはM5/W6、24cmはM6/W7、25cmはM7/W8、26cmはM8/W9、27cmはM9/W10、28cmはM10/W11などとなります。

まずは調整しよう

このサンダルはストラップの調整が結構大事です。下の写真は購入直後、何もいじらずに履いた時の様子ですが、これだと鼻緒から足首に向かっているストラップがだいぶ斜めになっていますよね。これでは少し痛いので、調整が必要でした。

XERO SHOES GENESIS

この場合、鼻緒をより自然なラインに(サンダルに対して垂直に)するには、下の写真の矢印で示したところをソールの下に引っ張り出して、その量に合わせてヒールの部分の左右の長さを調整する必要があります。なかなか動かしにくいヒモなので、サンダルを脱いで調整したほうが良いと思います。

XERO SHOES GENESIS

また、足首の前にある「こぶ」を前後にスライドさせることでフィット感を調整できます。しかし走ったりしないのなら結構適当な調整でも大丈夫な印象です。

XERO SHOES GENESIS

ヒール側の両サイドの長さ(というか、左右長のバランス)はここで調整します。

XERO SHOES GENESIS

ヒール側の中央にロゴのあるシリコンバンドが来るとセンターが取れた状態です(あまり神経質にならなくても歩行に影響は出ませんけれども)。

XERO SHOES GENESIS

私は最初これらの調整をせずに少し歩いたところ、鼻緒が指のあいだに当たって結構痛かったのですが、こまめな調整を繰り返していくうちに自分にちょうど良い位置を見つけることができました。今ではストラップによる痛みは全く感じません。最初のうちは根気良く調整したほうがいいと思います。

歩行を見直すきっかけに

さてこのサンダル、最初に書いたようにもともとはテント場でちょっと移動できれば良い、くらいのつもりで導入したのですが、慣れてくるとこのサンダルで歩くこと自体が楽しくなってきました。とはいえ、すぐに長距離をガツガツ歩くのはやめたほうが良いです(というか、できないと思います。最初は痛い!)。

XERO SHOES GENESIS

左足の指は爪下血腫がまだ完全に治っておらず見苦しいので一部モザイクをかけています

私は最初、近所のコンビニまで往復500m。次にスーパーまで1km。次に河川敷ウォーキングに持って行って、部分的に2km… といった感じで、徐々に足を慣らしていきました。すると、足裏や指でヘンな負担がかかっているところから豆ができてきます。そうしたところに負担がかからないよう、足の置き方を意識しながら歩く練習をしました。

かかとから着地するのではなく、足裏全体で足を置いていく「フラットフット歩行」の再確認・練習にもなり、今では都市部の舗装路であれば8kmほどは歩けるようになりました。履きはじめてから4回目くらいまでは路面の硬さが辛かったのですが、今ではそれを楽しめるくらいになっています。これまで使っていなかった筋肉を使う感覚がおもしろい。

猛者はこれでランニングする人もいるのだとか(私にはまだ無理)。また、砂利道などを歩いていると礫が足裏に入ってきたりしますし、山道には向いていないとは思いますが、ゼロシューズにはよりトレッキング向きのZ-TREK 2やZ-TRAIL EVといった、ソールがより厚いモデルも出ているので、そちらも俄然興味が湧いてきました。

足の保護がまったくありませんから、アウトドアでの使用時は岩や木にぶつけないよう気をつける必要はありますが、慣れている方ならこれでちょっとしたハイキングもできてしまうのかもしれませんね。いつか挑戦したいと思います(決して不可能ではないだろうと感じています)。

当分はテント場での利用と近所のお買い物、トレーニング歩行がメインになりますが、素足感覚で歩くことの魅力・楽しさを再発見しています。体幹やバランス感覚を鍛えるのにも良いのではないかと思います。万人におすすめできるものではありませんが、私は大満足。クッション性の高いモダン・シューズとは対極にある製品です。足裏は第二の心臓とも言いますし、健康にも良さそう。

ひとつ短所(?)かもしれないところを挙げておくと、ペタペタと歩行音がするところです。それくらいです。カラーは筆者のブラックのほか、ソーダライトブルー・グリザイユなど何色かあるようです。

XERO SHOES GENESIS 24cm
XERO SHOES(ゼロシューズ)
著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

ヤムパパーをフォローする
やまうぉーくYAMAWALK
タイトルとURLをコピーしました