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【2年弱使用】Salomon XA PRO 3D トレランシューズ:荷物の少ない良路ハイキングなら軽快さが際立つ

4.5

Salomon XA PRO 3D(ローカットのトレランシューズ)のレビュー記事です。使用開始からもうすぐ2年になります。最初にお断りしておきたいのは、筆者は基本的にトレランはやらないため(やりたい。でも奥武蔵ロングトレイルレースに参加したら35kmのショートコースでも死ぬ自信がある)、ハイキングやライト登山での使用感になりますのでご了承ください。

Salomon XA PRO 3D トレランシューズ

コースに露岩が少なかったり、林道や舗装路歩きが長かったり、少ない荷物で済む軽ハイキングの時にサブ的に使います。私がよく歩く奥武蔵の低山ハイキングコースなら、これで快適に歩けてしまうことも多いです(向かないコースもあります。後述)。詳しく見ていきましょう。

どんなハイキングで使っているか

このシューズの良いところをまとめると「軽量なローカットでアッパーはメッシュで薄め、前半分の柔軟性が高くてヒモを縛るのも超簡単、足袋のような履き心地」。裏返すと、くるぶしから上は保護されず、薄いアッパーを岩にぶつけたりすると猛烈に痛い(怪我をします)。またハイキングシューズに比べると剛性が劣るため、荷物が重い時などは踏ん張りにくい、とも言えます。

Salomon XA PRO 3D トレランシューズ

埼玉県の山で考えると、武甲山の表参道コースならこれでも問題なく登れるけれど、秩父の二子山で使うのはやめたほうが良い。日和田山天覧山と多峯主山柏木山などならこれでもOK。でも帰りに吾妻峡を歩くならミッドカットのハイキングシューズのほうが安心、という感じです。

私の場合は、露出した岩が多いコースならこのシューズはなるべく避けます。武川岳・横瀬二子山縦走コースならミッドカットのほうがいいです。大持山・小持山では使ったことがあります(おすすめはしません)。

武川岳手前の天狗岩

武川岳手前の天狗岩。こういう道で遊ぶのには向いていない…と思う

トレランをやっている方は足さばきの技術があるので、奥武蔵全山縦走コースをこういうシューズで走っているのですが、私のような非競技系のライトハイカーが迂闊に真似すると怪我をします。いちばん多いのが、うっかり足を岩に当ててしまった時。伊豆大島の三原山のようなゴロゴロとした礫の多い火山でも、これだと危ない(何度か痛い思いをしました)。

三原山の赤ダレ

こういう場所ではミッドカット以上でないと怪我をしやすい。足先部分の保護も必要になる

しかし、軽量なので歩いていて気持ちが良いのです。私の個体は、サイズ25cmで重さが実測345g/348g。もう2年使ってきたのでだいぶ減ったと思うのですが、1年半使ってきた同サイズのSalomon X Ultra 3 MID GTX(ミッドカット)が実測で398g/401gなので、片足50g近く軽い計算です。足元で100gも軽くなると体感的にはかなり効いてきます。

メッツァ外周コース(平坦な林道歩き)などはもうこれでOK、というか、むしろミッドカットよりも軽快感があり、このシューズのほうが気持ち良いですね。

メッツァ外周コース

こうした平坦な道で使うのであればハイキングシューズよりもむしろ軽快感があってよい

西武池袋線の北側の低山ならこのシューズのほうが楽に感じられることが私は多いです。飯能駅まで長い車道を歩いて帰る時もラクラク。普段スニーカー代わりとしても使うこともあります。

宮沢湖とSalomon XA PRO 3D トレランシューズ

とはいえミッドカットのX Ultra 3 MID GTXも十分すぎるほど軽量なので、そちらでもストレスは感じないのですけれども。

軽さと引き換え? 消耗は早い

筆者の場合、ミッドカットのX Ultra 3 MID GTXのほうがはるかに出動回数が多いのですが、最近はXA PRO 3Dのほうが痛みが目立ってきました。左右とも、指の付け根あたりの両側にヒビが入ってきています。これは経年劣化というより私の使い方の問題で、先にも書いたようによく岩にぶつけたりしたからだと思います。足さばきが良い方ならこうはならないんじゃないかと思います。

Salomon XA PRO 3D トレランシューズ

ソールを見てみましょう。ノブの突き出しはそれほど高くはなく、一般的なハイキングシューズに比べるとグリップは浅め。ただし下の写真でかかと側の外側がツルツルになっているのは、単に摩耗したせいです。削れやすいのかもしれないですね。ソールは爪先側がよくしなる印象です。

Salomon XA PRO 3D トレランシューズ

私のX Ultra 3 MID GTXとXA PRO 3Dのソールを比べてみます(全長が違うように見えるのは広角レンズによる問題で、実際はどちらもほぼ同じ。両方とも25cm)。

X Ultra 3 MID GTXとXA PRO 3Dのソール比較

出動回数・歩行距離ともにミッドカットのX Ultra 3 MID GTX(写真左)のほうが圧倒的に多いことを考えると、XA PRO 3Dは消耗が早いのは間違いないと思います。もう退役させて街歩きシューズとして余生を送ってもらいましょう。

X Ultra 3 MID GTXとXA PRO 3Dのソール比較

あとはこのシューズ、ヒモが縛りやすいのも特筆すべきところ。クイックレース仕様なので結ぶ必要がなく、程よいところまで引っ張るだけで留め具が固定してくれます。早くて簡単。レースも切れたことはありません。あとはアッパーがメッシュ地で薄いので通気性も素晴らしい(夏は涼しく蒸れないのが良い。でも冬は寒い)。

私の足はサロモンとの相性が良いので、トレランシューズは次も同じものに買い替えると思います。XA PRO 3DにはGORE-TEXバージョンもあって気になるところですが、カジュアルな使い方が多いなら耐水性よりも軽さを優先させてノーマル版のほうが良いこともあるかもしれません。このあたりはお好みで。

個人的には、使う場所さえ間違えなければストレスを感じない素晴らしいシューズだなと感じています。2年も持ってくれたら耐久性も文句はありません。

サイズ感的には、普段のシューズが25cmの私はX Ultra 3 MID GTXでもXA PRO 3Dでも同じ25cm。普通のサイズを選んで良い気がします。ただしX Ultra 3 MID GTXはワイド版、XA PRO 3Dはノーマル版を履いています。

購入当初は、XA PRO 3Dは爪先側がやや狭めに感じましたが、早い段階で馴染んできました(小さめと感じる人はいるようです。ワンサイズ上と履き比べしたほうが良いかもしれないですね)。トレランシューズはややタイト目でちょうど良いと私には感じられました。なおワイド版・レディースモデルもラインナップされています。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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