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柏木山:独りになれる秘密基地のような飯能三山の主峰

柏木山ってどんな山?

柏木山(かしわぎやま・303m)は多峯主山・龍崖山と合わせ、飯能では「飯能三山」または「飯能三名山」と呼ばれています。飯能の駅から若干距離があるせいか、大人気の山という感じではないのですが、優しい雰囲気の広葉樹が多く、歩いていて心が落ち着く山です。山頂からは南に大展望が開け、スケール感では飯能三名山の中で最も大きいと個人的には感じます。

柏木山

柏木山

ゴルフコースのフェンスに面しており、工業団地も近かったりするのですが、カモシカがよく目撃されています(筆者も見たことがあります)。シダ植物が多いのも特徴。登山道は地元の有志の方々が整備されていると聞きます。また柏木山には「高ドッケ」という別名もあります。

柏木山

山頂直下。ゴルフ場に面しているものの味わい深い山

ただ登るだけなら登山道入口のある駐車場からピストンで1時間程度しかかからないのですが、一般的な道もそうでない道もいろいろとあり、積極的に探索しながら周回するのが楽しい。正直なところ、あまり他人には教えたくない秘密基地のような雰囲気がある山です。

主な登山コースとアクセス情報

柏木山には西武池袋線・飯能駅から歩いてくるのも無理はないですが、一般的には駅前からバスに乗り永田大杉で降ります(約10分)。バス停からすぐに吾妻峡を目指して降り、ドレミファ橋を渡ります。その後は車道を右折し「あかね尾根道コース入口駐車場」を目指します。バス停から登山口までは15分程度。

■ 柏木山周辺の地理院地図。山名表記はないが303mの標高点が柏木山(拡大・縮小できます)

駐車場からは、すぐ左の尾根道を登るコースと、茜台自然広場を抜けて沢道を登るコースがあります(他にも道があります)。どちらもそれぞれの良さがあり、いずれ尾根で合流します。山頂まで登ったら「カモシカ新道」を南に下り、苅生(かろう)地区の柏木山登り口から赤根ヶ峠へ。赤根ヶ峠を左折すると周回コースになります。

赤根ヶ峠を直進し、隣の龍崖山も一緒に登ってくる人も多いです。その場合、吾妻峡をのんびり歩いて飯能駅に戻るコースもおすすめ。また北の多峯主山から長田大杉のバス停に下ってくることもできるので、健脚なら天覧山・多峯主山・柏木山・龍崖山の縦走も可能です。

私が歩いた柏木山

吾妻峡のドレミファ橋は私にとって柏木山登山口のようなものです。最初に龍崖山を登る人は、川の上に出たら左折して八耳堂を目指しますが、私は早朝の柏木山が好きなので直行します。もしくは多峯主山から降りてくることが多いです。柏木山は大好きな山なので、もう何度も来ています。

吾妻峡のドレミファ橋

吾妻峡のドレミファ橋

あかね尾根道コースからは、奥にある谷道でははなくすぐ左手のケモノ道のような細さの道を選ぶことが多いです。途中での見晴らしが良いからです。

柏木山・早朝の尾根道からの眺め

早朝の尾根道からの眺め

山頂の写真はこの記事冒頭をご参照ください。しかし柏木山の魅力は、下の写真で見られるような魅力的な小径が多いところでもあります。この右手の道は案内板には記されていないのですが、こういう道も結構楽しい(ちなみにこの先にはちょっとした休憩に適した狭いチャートの岩場があります)。

柏木山の小径

魅力的な小径がいくつかある

明示的に進入禁止となっている道には入っていきませんが、そうでない道でもクモの巣だらけのあまり歩かれていない箇所があり、ちょっとした藪こぎ気分も楽しめます。トレッキングポールが1本あると便利かもしれません。山頂からカモシカ新道に下らずに、西に歩くとこういう巻き道があります。

柏木山の藪

ちょっとした藪こぎ気分も楽しめる

山頂は展望が優れているだけでなく、何というか独特の静けさ・のどかさがあります。遠くでかすかに作業中の重機の音や、工業団地からの音が聞こえることもあるのですが、それで興醒めすることもありません。山座同定も楽しめ、奥多摩方面を見ると川苔山・棒ノ折山・蕎麦粒山などがわかりやすい。下の写真ではちょうど真ん中あたりに棒ノ嶺が見えています。

柏木山山頂から奥多摩方面を望む

柏木山山頂から奥多摩方面を望む

山頂以外にも展望が良く休憩に適したスポットがいくつかあります。食事は勿論、コーヒーを淹れて飲むのも最高。他の飯能三名山では、多峯主山だと独りでゆっくりコーヒー休憩できる場所が少なく、龍崖山は山頂が広いものの大体いつも宴会が開かれていて、のんびりできないことが多いです。

柏木山はマイナーな道も豊富なところも良いです。人気度から言うと龍崖山や多峯主山のほうが上かと思いますが、私にとっての飯能三山の主役はやはり柏木山です。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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