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DOD「秘密のグリルちゃん」の感想:個人的には微妙な使い勝手。太い薪はくべにくく調理もしやすくはない

2.5

DOD「秘密のグリルちゃん」を使ってみた感想です。ソロ用のミニマムな焚火台で、調理用のスピット(クッカーを置いたりできる串・網。五徳)が8本付属している製品です。コンパクトでかなり人気があるようだったので買ってみました。

DOD 秘密のグリルちゃん

スピット以外の部分の組み立ては、とても簡単です。フレームの支柱となる金具を2本(下の写真で見えているもの)、本体両サイドの四角い穴に差し込むだけで自立する設計です。これはすごくいいなと思いました(製造公差でこの穴にうまく入らない人もいるようですが、私の個体はジャストフィットでした)。ただ河原などでは安定しづらいかも。

DOD 秘密のグリルちゃん

付属のスピットを本体の焚火網の上に置いて、脚をたたんで巻物のようにくるくる巻いて収納袋に入れられます(フレーム金具は一緒には巻けません)。鋭利なパーツはなく、素手で使っても怪我することはなさそうです。ここは好感が持てます。

DOD 秘密のグリルちゃん

一方で「これは使いにくいな」と思ったのは、スピットを支柱に挟みにくく、挟んだあとも位置がズレやすいことです。いつのまにかスピットの片側だけ、あるいは両側が隣の段に落ちていることがよくあり、戻すのがかなり難しいのです。ここはかなりイマイチ。食材を直置きして焼きたい方には特にストレスになるでしょう。

DOD 秘密のグリルちゃん

サイズ感的には、キャンプ場で売っているような大きい薪を使う場合、焚火網とスピットのあいだが狭く感じられます。製材された立派な薪ではなく、下の写真のような、落ちているいびつな細い枯れ枝のほうが使いやすいはずです。というか、元々そういう使い方をメインに想定しているのかなと思います。調理をしない場合は、勿論太い薪でも問題ありません(飛び出るけど)。

焚き木

クッカーと火床のあいだは狭いので、燃し木での調理の際には便利かもしれません。いずれにしましても、写真で見られるようなサイズの薪はあまり向いていないかなと思いました(バトニングナイフで割れば良いですが)。

DOD 秘密のグリルちゃん

先に書いたように付属のスピットはズレやすいのですが、何が何でも8本全部を使う必要はないわけでして、フライパンでもケトルでも2本あれば十分であるとは言えます。私は、今後使う時には2本しか持っていかないと思います。こうすれば空いた片側から薪も動かしやすいです。

DOD 秘密のグリルちゃん

調理はせずにただミニ焚火台として使う分には大きい問題はなく、便利なものだと思います。その用途に限れば、星3つ。調理もするとなると、減点して星2.5というのが正直な印象です。

DOD 秘密のグリルちゃん

収納袋に入れた状態での実測重量は602gで、手に持つとずっしり重いです。収納時は、わりとボテッとした円筒状になります。私が他に使っているピコグリルっぽい安い焚き火台は実測重量が654g(スピット2セットと袋込み)なので、それよりは少し軽いのですが、使い勝手はピコグリル系のほうがはるかに良いと感じます。良い、というか私にはこちらのほうが断然使いやすいです。

SxoSyo 一台3役 焚き火台 コンパクト

ピコグリル系のデザインは大きめの薪でも動かしやすく、はみ出すこともなく、火床とクッカーの距離も調整しやすいです。組み立てはコツをつかむまで最初は慣れが必要であり、その点は「秘密のグリルちゃん」のほうが早い上に安全でもあります。しかし個人的に今後どちらがより活躍するかと、やはりピコグリル的な焚火台です。

秘密のグリルちゃんがいちばん輝く利用シーンは、薪ではなく拾った燃し木(もしくは炭)で、食材を直置きしていっぱい並べて焼きたい、という時かなと思いました。ただしその場合であっても、目の細かい金網を別に用意したほうがはるかに調理しやすいように思いますし、直火で使えるフライパンやケトルを使う場合はスピットにこだわる必要もあまりなく、そういう場合は秘密のグリルちゃんを使うメリットはほぼないと感じます。

少し辛口(?)の評価になってしまいましたが、DODの製品自体は最近ライダーズワンポールテントをよく使うようになったこともあり、基本的には好きです。シンプルなブランドロゴで、見た目も良いですね。

ちなみにこの記事で「秘密のグリルちゃん」と合わせたスパッタシートは、50cm x 50cmのものです。最低限このサイズはあったほうが良いと思います(個人的にはジャストフィットと思いました)。地面と近いのでスパッタシートは必ず必要です。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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