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【1年半使用】Salomon X Ultra 3 MID GTX:低山日帰りハイキングでベスト・高コスパで入門者にもおすすめ

4.5

Salomon X Ultra 3 MID GTX(「MID GTX」はミドルカットでGore-TEXの意)を15ヶ月間使っているので使用感をレビューしてみます。筆者は日帰りハイキングがメインで、技術度が高い山にはあまり行かないのですが、アップダウンの多い低山を20kmくらい縦走することがあります。他にも使っているシューズはありますが、使用頻度が最も高いのがこれです。

Salomon X Ultra 3 Wide MID Gore-TEX

軽量なので長距離でも疲れない

最初に書いておきたい特徴はやはりとにかく軽いことかなと思います。公称重量はメンズの27cmの場合で450gで、私が1年半使っている25cmサイズは実際に計ってみたら398g / 401gでした。大体片足400g。数百km歩いてちょっと減ったのかもしれません。形状は、どちらかというと前後の反りが強いロッカータイプで、早く軽快な歩行に主眼が置かれていることがわかります。

Salomon X Ultra 3 Wide MID Gore-TEX

軽いと何が良いかと言うと、当然ながら体力もセーブできますし、疲労時の足さばきミスを低減できます。これは、長距離になるほど効いてきます。しかし一方で、軽いということは素材が薄い・柔らかいことを意味するわけで、そのことによる短所も出てきます。それは後でご紹介します。

結構なザレ場でも何とか対応できる

スペック的には水平・緩斜面向きのハイキングシューズ。トレランシューズよりはしっかりしているけれど、トレッキングシューズよりは柔らかい。基本的には高低差が少ない山行向け。急登・急下降・足先への荷重が重要なテクニカルな岩場への対応には、本来ソールが固いトレッキングシューズのほうが向く… のですが、私自身は急斜面の多いコースでもこれを使ってきました。

Salomon X Ultra 3 Wide MID Gore-TEX

奥多摩三大急登や、奥武蔵全山縦走コースでも何とかなります。何とかなる、というのは、急下降などでは、やはり滑らないように爪先に力を入れて重心バランスを取る努力は必要なのですが、そのための集中力を維持できれば何とかなる、という意味です。しかし急登・急下降がメインになる人なら、ソールがより固いトレッキングシューズを選んだほうが良いでしょう。

Salomon X Ultra 3 Wide MID Gore-TEX

軽いだけでなくソールが柔らかいので、長時間歩いても疲れにくいのですが、反面、急斜面や岩場が長くなるとトレッキングシューズほどはソールが助けてくれないとも言えます。足首のカット形状も剛性より動かしやすさ・可動域の広さ優先の設計です。とはいえ、獲得標高1000〜2000mの日帰りハイキングであれば、これで困る人もあまりいないのではとも思います。

Salomon X Ultra 3 Wide MID Gore-TEX

棒ノ折山の沢を登る

泥抜けは、すごく良いですね。グリップは先にも書いたように最高とは言えないと思いますが、低山ハイキングでは不満が出るレベルではなく、ザレ場や、雨後のぬかるんだ急斜面であっても、しっかりヒモを結んで気を抜かなければ対応できます。そのため、軽量さを優先してこのシューズを使う機会がやはり多くなりました。

ハイキング入門シューズとしてもおすすめ

私がよく歩くエリアでは、たとえば奥多摩の鷹ノ巣山などに登って奥多摩駅まで延々と石尾根を下ってくる、というコースでもバッチリ使えています。コースにもよりますが、2000mくらいまでの山の登山道であれば全く問題ないどころか、快適に使えるシューズです。

石尾根縦走路(奥多摩・将門馬場付近にて 2022年4月)

石尾根縦走路(奥多摩・将門馬場付近にて)

起伏の激しい奥武蔵の低山縦走コースでも、特に少ない荷物で長距離を歩く場合はトレッキングシューズだとオーバースペックになる感じはあります。このSalomon X Ultra 3 MID GTXは、まさにトレランシューズ以上・トレッキングシューズ未満のハイキングシューズ。万能性の高い、良いポジションのシューズだなと思います。

一般に登山靴は

  • ローカットシューズ(トレランシューズ等)
  • ハイキングシューズ(ミドルカットが主流)
  • トレッキングシューズ
  • ライトアルパイン〜アルパインブーツ

の順でより固く、より丈夫で重くなり、より難易度の高い地形や重装備に対応します。ただ、カテゴリーごとに細分化が進んでおり、各カテゴリーの中間に位置するような製品も多数存在するためシューズ選びは以前より難しくなっている印象はあります

チェーンスパイクも問題なく使えますし、Gore-TEXなので透湿性は高く、蒸れを感じたことはありません。

Salomon X Ultra 3 Wide MID Gore-TEX

残雪の武甲山にて

近いスペックの他社製品よりも価格が安く、カラーも豊富なところも魅力です。サイズ・フィット感もクセがなく、サロモンのシューズは他にも愛用していますが、いつも通りのサイズで選んで私は問題ありませんでした。私はソックスとの兼ね合いでたまたま「Wide」と付くモデルを選んだのですが、履き慣れた今となってはワイドではない通常版でも良かったかなとも思っています。

これからハイキングをはじめてみよう、という方にはおすすめできます。もし私の友達が奥多摩の六ッ石山に行きたい、奥武蔵の伊豆ヶ岳に行きたい、と相談してきたら、トレランシューズはおすすめはしませんが、このシューズは最初におすすめします。

■ 通常版とワイド版があります。たまにAmazonで10%OFFで買える時もあります

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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