山の動植物

ブサ可愛いイチモンジセセリに再会 チャバネセセリも(東京・伊豆大島にて)

イチモンジセセリ、という、ずんぐりむっくりしたブサ可愛い蝶に東京・伊豆大島にて再会しました。この蝶は今年の夏、埼玉のウノタワ〜鳥首峠間で見かけて以来すっかりファンになっていたのです。一瞬、蛾ではないかと思ってしまいますが、蝶です(別に蛾でもいいんだけど!)。

イチモンジセセリ(伊豆大島にて)

セセリチョウ科の蝶で、後翅の裏に銀紋が一文字状に並んでいるため「イチモンジセセリ」と呼ばれています(学名:Parnara guttata / 英名:The Straight Swift)。下の記事でも紹介しているので、こちらもお読みいただければ幸いです。

ずんぐりしてブサ可愛いイチモンジセセリに鉄塔跡地の廃墟で出会った(埼玉・ウノタワ〜鳥首峠間にて)
8月中旬、埼玉県のウノタワを目指して歩いている時に、廃墟のような場所でずんぐりした可愛い蝶を見つけました。セセリチョウ科の蝶で、後翅の裏に銀紋が一文字状に並んでいるため「イチモンジセセリ」と呼ばれています(学名:Parnara guttat...

地層大切断面にて

この記事は「山の動植物」というカテゴリーに投稿していますが、イチモンジセセリに再会したのは山ではありません。しかし伊豆大島の火山・三原山を歩いた帰りに見かけたので、やはり記録に残しておきたいと思いました。撮影場所は大島南西部にある有名スポット「地層大切断面」の近くです。別名「バウムクーヘン」と呼ばれる、過去150万年にもわたる大島の火山の記憶です。

伊豆大島の地層大切断面

地層大切断面

■ 地理院地図では下の十字線のあたりです。ちなみにこの付近から三原山の滑走台跡・幻の池付近に至る登山道があります(登山口から滑走台跡までの標準コースタイムは上り1時間45分、下り1時間20分)。

イチモンジセセリたちはバウムクーヘンとは反対側、海側の歩道脇にいました。大量の美しいススキと、足元には何やらカラフルな花が見えます。このあたりがどうも賑やかそうなので近寄ってみると…

伊豆大島の地層大切断面

ランタナの花の蜜を吸うイチモンジセセリ

ランタナ(学名:Lantana camara / 英名:Lantana)と呼ばれるクマツヅラ科の常緑小低木の花に、多数のイチモンジセセリが群がっていました。後翅の裏に見える、一文字状の4つの銀紋… 間違いない! か、かわいい… 太っていて目だけやたらでかい。ぬいぐるみがあったら欲しいくらいです。

イチモンジセセリ(伊豆大島にて)

この日のいちばんのお気に入りの写真がこちら。オリンパスの標準ズーム12-45mm F4で撮影しました。ストローでチューチュー、おいしそうですね。

イチモンジセセリ(伊豆大島にて)

同じ場所にチャバネセセリも?

ランタナの花には黄色・橙色・ピンク+白色・ピンク+黄色などのバリエーションがあります。侵略的外来種ワースト100に選定されている植物だそうですが、東京都内では見たことのない美しい花だったので印象に残りました。こちらはピンク+黄色の花で食事中の個体です。

イチモンジセセリ(伊豆大島にて)

この写真もカラフルで個人的にとても気に入っています。ところでこのセセリチョウ、先に紹介した個体よりも体色が少し濃い目のブラウンに見えます。また、頭のすぐ後ろの毛が少し緑色っぽく見えますね。これはもしかすると、イチモンジセセリとは違う種類ではないか、と思いました。

イチモンジセセリ(伊豆大島にて)

調べてみると、Wikipediaにあるチャバネセセリ(学名:Pelopidas mathias / 英名:Dark Small-branded Swift)の写真に、非常によく似ています。イチモンジセセリは全身茶色、とされているのですが、この個体は明らかに緑っぽい色が入っていますよね。斑紋のパターンもやや違い(密集せずバラけている)、羽も縦に少し長い。チャバネセセリなのか、それとも個体差なのか。

イチモンジセセリもチャバネセセリも、幼虫はイネやススキ等のイネ科の植物、カヤツリグサ科の植物を食べるそうです。前回イチモンジセセリを見た山の鞍部も、今回の伊豆大島の地層大切断面も、ススキがたくさん生えている場所でした。ここでたっぷり栄養を採って生まれ育った個体なのでしょうね。

撮影データ:OLYMPUS OM-D E-M5 III / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO / 2022年10月中旬

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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