山の動植物

ユーモラスな顔をしたツマグロヒョウモン(埼玉・ウノタワ〜鳥首峠間にて)

ツマグロヒョウモンという蝶の写真です。英名”Indian Fritillary”, 学名”Argyreus hyperbius”。漢字では「褄黒豹紋」と書きます。

ツマグロヒョウモン

2022年8月中旬に、埼玉県の鳥首峠からウノタワを目指して歩いている時に撮影しました。撮影地点は、「ずんぐりしてブサ可愛いイチモンジセセリに鉄塔跡地の廃墟で出会った」という記事で紹介したところで、構造物の残骸が残る廃墟。ここは結構、虫がいます。

下の写真のようなところです。杉が伐採された、物音ひとつしない静かな鞍部。地理院地図では1059mの記載があります。むかし送電線鉄塔(安曇幹線328号)がここにあったとのことです。この先にウノタワ、そして大持山があります。日当たりの良い場所なので、ニホントカゲが壊れた鉄塔の基部から出入りしている姿も見かけます。

鳥首峠とウノタワの中間地点

ツマグロヒョウモンはアザミの密を吸っていました。珍しい蝶ではないのですが、ここのツマグロヒョウモンは人を怖がらないのか、かなりの至近距離で撮影できました。白い帯のあるこの個体は、メスである証です(オスは白帯がない)。

ツマグロヒョウモン

オリンパスの12-45mm F4ズームレンズの望遠端なので、35mm換算で90mmの画角です。望遠端で最短撮影距離23cmなので、かなり寄れるのです。とはいえ無防備。私が鳥だったらすぐに食べられるくらいの距離。おかげで撮りまくりでした。

ツマグロヒョウモン

少し離れたところから。この個体以外にも、2〜3羽いたと思います。この日はウノタワのいい写真を撮るつもりで出かけたのですが、肝心のウノタワではあまり良いものが撮れず、この鞍部での昆虫写真が最大の思い出になりました。これほど素晴らしいライティングで昆虫を撮れるところはそうそうありません。

ツマグロヒョウモン

冒頭に掲載したツマグロヒョウモンのクローズアップです。もう少し目にピントが合っていたら良かったのですが、それでもこの12-45mm F4レンズはいいなぁ、と思えた1枚です。拡大しても解像感があります。

ツマグロヒョウモン

とがっているところは蝶においては口ではないと思いますが、まるで口を尖らせてふてくされている人のように見えてきます。ユーモラスで可愛い。ツマグロヒョウモンは、もともとは少し暖かい地方に生息していたそうですが、温暖化のせいなのか生息域が少しづつ北上してきているそうです。伊豆大島でもよく見かけます。

この鉄塔跡地は、昆虫の写真を撮るためだけにまた行ってみたいと思えるほど良いところです。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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