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雲取山荘のテント場ってどんな感じ? 申し込み方法と現場の様子【2023年5月】

雲取山(標高2017m、東京・奥多摩)の近くでテント泊をする場合、2023年現在は雲取山荘か七ツ石小屋が主な選択肢となります(奥多摩小屋は廃止となり、テント泊も不可となりました。緊急用の雲取避難小屋近くにテン場はなし)。この記事では筆者が実際に雲取山荘のテント場を利用した時の現場の様子や、具体的な利用方法などをお伝えします。

雲取山荘

雲取山荘テント場の利用方法

まず手短に利用方法から。テント泊の場合、予約は不要です。申し込み手順や基本的な情報は次の通り。

  • 雲取山荘の建物に入り、入口で管理人さんに直接申し込む(不在の場合はベルがあるので、鳴らすと来てくださいます)
  • 台帳に記入するのはフルネームのみ
  • 管理人さんは、どこにテントを張れば良いか・トイレはどこか・水場はどこかなど、必要な情報をすべて教えてくれる
  • 区画の指定などは勿論ない(早い者勝ち)
  • キャパシティは、古い情報では50張という記述をネット上で見かけるが現在はそこまではないように見える(後述します)
  • 2023年5月時点では、料金は1500円
  • 何も言わなくてもカーボンコピーのレシートを発行してくれる
  • 入口には売店があり、そこで買った飲料や食品のゴミであれば引き受けてもらえる(こちらが何も聞かなくとも丁寧に説明していただいた。ゴミは自分で持ち帰るつもりだったので驚いた)
  • ソフトドリンクは400円、缶ビール500円(ハイボール・カップ酒もあった)、カップヌードル400円(日清のしょうゆ味のみ。お湯の提供はない)、その他お菓子・スティックコーヒー(たしか200円)・記念バッジ(たしか500円前後)などが手に入る(しかし山小屋なので値段はいつも同じではないと思う)

こんな感じです。水場については、凍結していない時期はそのまま飲める沢水が常時流れています(後述します)。

雲取山荘テント場の配置と様子

ここからは筆者が2023年5月初旬、実際に雲取山荘のテント場を利用した時の現場の様子をお伝えします。この日筆者は、埼玉県の三峯(みつみね)神社から雲取山荘に向かいました。

山荘が近付くとこんな風景が見えてきます。山荘前の尾根道と巻き道沿いにテント場があるイメージです。説明のために、1〜5の番号を写真に振ってみました(こういう区画があるわけではありません)。「1」は地面がかなり水平な好立地。「2」は山荘にいちばん近く、地面も良いのですが2張が限度かなといった印象。

雲取山荘のテント場

「3」は尾根の西にあり、「4」の東側にも基本的にお一人様用の隠れ家的スポットがあります(「4」の東側は上の写真では見えないのですが、後述します)。「5」は山荘からやや離れていますが、水平な地面という点ではまあまあ有利そう。

筆者がこの日利用したのはエリア「4」です。下の写真の中央付近でモザイクをかけていないグリーンのテントが私のテントです(嫌な思いをされる方もいるかもしれないので、他の利用者の方々のテントにはぼかしを入れておきました。見づらかったらすみません)。

雲取山荘のテント場

下の写真の中央は山荘に最も近いエリア「2」です(右端はエリア「1」)。どちらも地面が水平かつトイレや水場も近い。ただ、私が利用したエリア「4」でも、山荘は不便に思うほど遠くはありません(埼玉県で私が大好きな大鳩園キャンプ場よりもトイレは大体近い)。

雲取山荘のテント場

下は私がエリア「4」に設置したテント。左に傾いているように見えるのは私の姿勢と超広角レンズのパースの問題で、実際はそれほど左に傾いていたわけではありません。ただ、尾根に沿って水平ではなかったので寝心地はものすごく悪い(この写真の手前側が高かったので、テントのお尻側に頭を向けて寝ました)。なるほど、広々としていながらあいていたのはこのせいか…

雲取山荘のテント場

それでも大きい石などは少なく、整地はかなり短時間で済みます。利用者が多いからかもしれません(前泊者の方に感謝)。ペグダウンも簡単。ペグを打ったり、重しにする手頃なサイズの石も豊富です(この日はほとんど風はなかったのですが)。

下はエリア「4」の東側。三峯から山荘を見て尾根の右側にある、狭いところです。ここは大きい根が張り出しているのですが、テントのフットプリントによっては張れると思います。地面も水平に近い。この反対側のエリア「3」は先約済みでした。どちらも良いと思いますよ。ここに張れば良かった、とちょっと悔やみました(到着が遅かったのでかなり急いで設営しました)。

雲取山荘のテント場

この日のテントは12張だったと思います。個人的な印象としては、これらの写真で紹介したエリアに限っていえば20〜25張を越えたら厳しくなってくると思います。50張りというネット上の数字はエリア「5」の向こう側、現在は廃屋となっている「雲取ヒュッテ」の近くまで頑張った時のものかなと思います。

雲取山荘でのテント泊で利用可能な設備

雲取山荘でのテント泊で利用可能な設備を見ていきましょう。先にも書いたように、売店で飲料・軽食が手に入ります。また入口前に大きいテーブルが2つあり(下の写真右下)、ここで調理することもできます。写真左に見切れている小さい小屋は、素泊まり(食事なし)の小屋泊利用者のための炊事場です(現地にそう書いてあった)。

雲取山荘

小屋前のテーブルの奥には、水場があります。奥(下の写真の中央あたり)に沢水が流れ出ているホースがあるのが見えるでしょうか。凍結していない時期なら、ここから水がジャブジャブと常時流れています(沢水は地球を循環しているだけなので資源のムダではない)。雲取山荘は標高1800m以上だけあって水は冷たく、売店で買ったビールをここで冷やしておくのも良いですよ。

雲取山荘の水場

写真下・左側は雲取山荘の夏用トイレ。2つのテーブルの奥にあり、小階段で下ります(数段)。靴は脱ぐ必要があります。泥や土で汚れると掃除が大変だからだと思います。小便器が左にあり、男性用・女性用の個室が右に2つづつ。ステンレスの和式水洗トイレで、清潔です。トイレ前には「いざゆけ! トイレっとへ 雲の上 標高1830mの爽快感」という立て札があります。

雲取山荘のトイレ

トイレや本館への出入りで靴を脱ぐことを考えると、サンダルを持っていくと過ごしやすいかもしれませんね。

夜の帳が下りたころ、山荘前を訪れてみました。テーブルの前からは、西面に東京都内の夜景が見えます。こんなに明るく見えるのか、と驚かされます。

雲取山荘からの東京の夜景

私は山荘内に泊まったことはないのですが、2階の部屋であればもう少し広い夜景を楽しめるかもしれません。しかしテント泊でも夜空の星は大変クリアで楽しめます(三脚を持ってこれなかったのが悔やまれる。折りたたみの小型のを持ってくれば良かったか)。建物の消灯は9時です。それまではこの明るさなので、ヘッデン不要でトイレに行けます。

夜の雲取山荘

翌朝は早朝に起きて、雲取山に向けて出発です。テント泊ではチェックアウトの時間などは特にないと思います(何も聞かれない)。

雲取山荘

さて、雲取山荘のテント場を利用させてもらった感想をまとめると、

  • 整地は簡単(整地というほどでもなし。石をちょっとどけるだけ)
  • 地面が水平な好立地はもちろん早くから先約済み
  • 好立地から離れていてもトイレや水場は遠いというほどでははなく、夜はヘッデンなしでも歩ける程度
  • スタッフさんは過不足のない情報を与えてくれる
  • お隣さんの音は結構反射するので、耳栓があったほうがよく眠れるかもしれない

という感じです。5月初旬でも夜は風が冷たく、東京都内とはやはり10℃くらい違います。早朝に出発する人が多いので、早く寝て早く起きて出発するのが良いでしょう。

雲取山荘については、ネット上に様々な評価があるのは私も知っています。しかし私の利用時に限って言えば、対価を支払って場所と必要な情報を過不足なく与えてもらえるいう意味で、私には特に不満はありません。それ以上のことは、山では他人には何も期待しないようにしています(助けを求められたら、自分にできる限りのことは何でもしますけれども)。

ただ、あくまで私個人の感想です。泊めていただいてありがたく思っています。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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