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椎取神社:溶岩流に呑まれた三宅島のあの鳥居はどこに隠れているの?

三宅島の観光名所、椎取神社(しいとりじんじゃ)の紹介記事です。2000年(平成12年)噴火の際、降灰と火山泥流でこの付近一帯が埋没しました。その時、かつての鳥居が笠木だけを残して埋まってしまいました。現在は下の写真のような立派な鳥居が新設されていますが、埋もれた旧い鳥居も見ることができます。というか、そちらの旧鳥居のほうが有名です。

椎取神社(三宅島)・現在の鳥居

椎取神社へのアクセス

椎取神社は三宅島北東部の神着(かみつき)地区、三宅一周道路沿いにあります。椎取神社方面を示す大きい看板を一周道路上で見かけましたが、入口に目立つ立て看板はないので通りすぎないよう注意したほうが良いでしょう(私は一度通りすぎてしまいました)。バス停は「椎取神社」。

■ 椎取神社付近の地理院地図(拡大・縮小できます)。

下が椎取神社への入口です。左が一周道路で、右の茂みをくぐるとすぐ神社。駐車場があり、クルマで入っていけます。この日はグループツアーの方々が数台の軽自動車に分乗して来訪していました。

椎取神社(三宅島)への入口

近場には赤場暁(あかばっきょ)・ひょうたん山・三七山などの名所もあるので、あわせて見学するのがおすすめです。

有名なあの鳥居はどこにある?

さて、藪を抜けるとすぐにこんな景色が見えてきます。左手側が駐車スペース。右手側にあるのが現在の鳥居。へえ、これが有名な椎取神社か… 観光パンフレットには土に埋もれた鳥居の写真があったと思ったけど、こんなふうに作り直したのかな? ふうん… と思い、なんと筆者はこの日、右の朱色の鳥居とその奥にある本殿だけを眺めて、帰ってしまったのです!

椎取神社(三宅島) 駐車場と現在の鳥居

このとき左側のスペースには数台の軽自動車があり、グループツアーの方が10人ほどいらしてガイドさんに説明を受けていました。

しかしその後立ち寄ったアカコッコ館で日本野鳥の会のレンジャーさんにこのこと(写真で見た旧い鳥居が見つからなかったこと)をお話したところ、

え…?
あの埋もれた鳥居を見てこなかったんですか…?
椎取神社は… そちらが見どころなんですけど…
(ププッ) ←私の心が聞き取った声です。実際は笑われたわけではありません

ええーっ!! や、やっぱりそうだよね! なんでも草が伸びていると発見しにくいらしい… というわけで、悔しいので翌日にまた椎取神社に向かいました。するとなんと、駐車スペースを左にほんのちょっと入っただけで、見えましたよあの有名な埋没鳥居が。

椎取神社(三宅島)埋もれた鳥居

三宅一周道路のすぐ脇じゃないですか… これは道路側からは見えませんし、藪を抜けたところからも死角になっています。時間帯によっては、ご覧のように日陰です。こ、ここだったか…

そうか、昨日は駐車場にたくさんクルマもあって、さらに見つかりにくかったのか。いや〜、やっぱり再訪してよかった。三宅島の椎取神社に来てこれを見なかったとしたら、もったいなかった。

しかし、こんな高さまで溶岩が流れてきたのですね。地面に座って、しばらくこの鳥居を眺めていました。風化を防ぐためでしょうか、肌色にきれいに塗られていました。

椎取神社(三宅島)の埋もれた鳥居

下は、新鳥居の奥にある本殿です。木漏れ日の落ちる小径の先にあります。八丈島・八丈富士にある浅間神社をなんとなく思い出しました。遠くないので、こちらも是非寄ってみてください。

椎取神社(三宅島)の本殿

ところで三宅島の多くの名所を歩いているとき、伊豆大島と似たところが多いな、まるで兄弟のような島だ、とたびたび私は感じていたのですが、椎取神社でもその思いを新たにしました。

というのも、大島・三原山の三原神社は、山頂にあるにもかかわらず1986年噴火時の溶岩流を免れています(大島の七不思議のひとつとされているらしい)。三宅島の椎取神社は、なかば呑みこまれてしまいました。しかし鳥居が完全には呑みこまれなかったところは、やはり神威とでも呼ぶべきなのでしょうか。

どちらも心に残る、静寂を感じる風景です。この日も三宅島と大島が、私のなかでパラレルワールドのように重なってきたのでした。三宅島、おもしろいです。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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