山のコラム

地主さんの怨念? ハイキング中に山で遭遇した怖すぎる「晒しゴミ」

ハイキング中に見た怖い風景をご紹介します。今年の1月26日、埼玉県・奥武蔵の武川岳〜二子山縦走コースを歩いている時のこと。尾根道の上に、何か浮かんでいます。近寄って見ると、ビニールのヒモで吊るされたカップ麺の容器でした。何らかの目的か、意図がありそうでした。

ハイキング中に山で遭遇した怖すぎる「晒しゴミ」

放置ゴミへの抗議?

容器はセブンイレブンの「関西風肉うどん」。容器に丁寧に穴が開けられ、テグスのような糸とビニール紐で枝にぶら下げされていました。まるで西部劇の映画に出てくる、吊るされて晒し者になっている無法者のようで、ぎょっとしました。

ハイキング中に山で遭遇した怖すぎる「晒しゴミ」

■ 地理院地図では下の十字線のあたりです。標高915m地点、「八ヶ原の頭」と呼ばれるピークで、その北にある1003mのピークは前武川岳。名郷のバス停を出発し、芦ヶ久保駅にゴールする定番の縦走コースの序盤です。

人気もなく工事の音も聞こえない、深い自然の中でした。風が止まると完全な静寂。

驚いたのは、晒し者になっていたのは「関西風肉うどん」だけではなかったこと。この水色のスプーンのようなもの、これは何でしょうか。プロテインの袋に入っているスクープのように見えます(それとも洗濯洗剤の計量用?)。しかし何故こんなものが山中にあるのか、謎です。登山者が何かを計量する目的でこれを持ってきたようにも思えず… これも枝から吊り下げられていました。

ハイキング中に山で遭遇した怖すぎる「晒しゴミ」

一方、こちらはチャートの石です。これは近くに転がっていた石と同じ種類に見えました。カップ麺の容器やプラスチック製のスプーンは、ゴミを捨てたことに対する抗議なのだろうか、と思いましたが、この石は意味不明。ただ「怒り」の象徴のように見えなくもありません。

ハイキング中に山で遭遇した怖すぎる「晒しゴミ」

他にもいくつか意味のわからない晒しものがありました。これはサランラップとかキッチンペーパーの芯のようなものでしょうか。赤いインクで「南無阿弥陀佛」と書かれています。近くにある「八ヶ原の頭」の道標の書体とよく似ているので、地主さんか、この登山道を管理されている方が書かれたものだろうか、と思いました。

ハイキング中に山で遭遇した怖すぎる「晒しゴミ」

これらの「吊るしもの・晒しもの」はどれも同じ人による仕事であるように見えました。しかし、誰が何のために? まるで現代美術家によるインスタレーション作品のようにも見えますが、私の推測は、やはりゴミを捨てられて怒った地権者の方、登山道の維持に関わっている方が抗議の意思を示すために行ったものではないか、というものです。

うっかりゴミを残さないために

カップラーメンの容器やプラスチックゴミを意図的に山中に捨ててはいけないのは当たり前ですが、使い終わった後にうっかり強風で飛ばされてしまうことも、ありうることです。そのため、そもそもゴミになるようなものはなるべく最初から持ち込まないほうが良いですね。

飴やチョコレートの包み紙も、登山道でたまに見かけます。ポケットから落ちてしまうのでしょう。行動食のゴミはズボンのポケットではなく、ザックのウエストベルトのジッパー付きポケットなどに入れたほうが良いでしょう。

小さいものとしては、割り箸のビニールの包み紙なども風で飛ばされやすいので、なるべく使い捨てでないカトラリーを使ったほうが良いですね。私は水分のあるゴミを持ち帰るためにドライバッグも必ず持っていきます。

追記

この記事を公開した翌日(2022年10月21日)、同じコースを歩きました。上で紹介した「晒しゴミ」はもう見当たりませんでしたが、別の場所(焼山付近)にこんなものを発見。カップ麺の容器でしょうか。

ハイキング中に山で遭遇した怖すぎる「晒しゴミ」

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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