私が愛用している寝袋系グッズの紹介です。これはSEA TO SUMMIT(シートゥサミット)から出ている「サーモライト・リアクター・フリースライナー」というもので、1枚持っておくと年間を通してマルチに活躍してくれる、超便利なものです。これ単体でも使えますし、普段使っている寝袋に追加するとさらに暖かくなる、というライナーです。
シリーズ中いちばん暖かいタイプ
SEA TO SUMMITで「リアクター(=原発の「反応炉」という感じの意味)」という名前が付くライナーには、次の3種類があります。
- リアクター・ライナー(14F/8℃まで暖かさを増加)
- リアクター・エクストリーム・ライナー(25F/15℃まで暖かさを増加)
- リアクター・フリース・ライナー(32F/18℃まで暖かさを増加)
今回ご紹介するのはシリーズ中いちばん暖かくなる3番目の「リアクター・フリース・ライナー」です。メーカー公称値ではいつもの寝袋が最大18℃まで暖かくなる、とされています。
この「プラス18℃」という数字は若干盛っているかな、とは思うのですが、標高2017mの雲取山でも春秋に3シーズン用ダウンシュラフと一緒に、夏の伊豆諸島でのテント泊では単体でブランケット代わりに使ってきました。膝掛けやストールのようにも使えるので、キャンプで肌寒い時などにも活躍します。
重さは公称379g。私が2年ほど使っている個体の実測重量はバッグ込みで368gなので、公称値よりも少し軽いくらいでした。サイズは200cm x 70cmでマミー型。ドローコードが付いていて頭をすっぽり覆うこともできます。収納時の横幅は、22cmくらいです(500mlペットボトルくらいの横幅。容積は3本分くらい)。
ジッパーは何故か左開き
このライナー、多くの人が挙げている短所があります。それはジッパーが「左開き」であるところ。持っている寝袋のジッパーが右開きの場合、出入りする時にちょっと面倒になる、というのはあります。慣れられるので致命的な欠点とまでは思わないのですが、なぜあえて左開きにしたのだろう、という疑問は残ります。
あとはフルジップではなく、半分くらいまで開くタイプです。これは特に気にならないです(ジッパーが長くなって重くなるよりもむしろ歓迎)。ジッパーは滑りが良く、全く引っかかりません。品質はすごく良いと思います。
モジュラーな運用をしたい人にはおすすめ
ジッパーの左開きが謎とは言え、メリットが大きいライナーです。ガチの冬山テント泊は滅多にやらない私のようなゆるいハイカーにとっては、0℃対応の3シーズン用の寝袋とこれを組み合わせてウェアを着込んで象足を履けば(スリーピングパッドの断熱性にもよりますが)私の経験で-5℃くらいまでならまず大丈夫でした。
暑い時には逆にこのライナーを取り除けば良く、私自身はそうした組み合わせによるモジュラーなレイヤリングで温度調節するのが最近は好みです。ちょっとテントの外を散歩する時など、マフラーや肩掛けのように使えるのも面白い。
あとは春・夏・秋でも単体で使えるところが便利。夏などは素っ裸で寝転がればいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、明け方は夏でも放射冷却でグッと冷え込むことがあり、そうした時はテント内で隣に出しておいたこのライナーを毛布のように身体に掛けます(フリースだと夏では使えないだろう、と思われるかもしれませんが、全然行けます)。
気軽に洗濯もできるのも良いところ。シートゥサミットの商品説明には「寝袋の寿命を伸ばせる」とも記載されていますが、確かにこのライナーが先に湿気を吸ってくれるので、ダウンシュラフへのダメージは確かに少なくなると思います。肌触りが良いので寝心地もさらに良くなります。乾くのも早いですよ。
SEA TO SUMMITのライナーシリーズには暖かさを追加する「リアクター」シリーズの他に、シーツ的な夏用のクールマックス・アダプター・ライナーや、シルク素材のトラベル・ライナーなどもあるので、気になった方は調べてみてはどうでしょうか。
SEA TO SUMMITの製品はこれ以外にもいくつか使っています。特にこのメーカーの大ファン、というわけではないのですが、吟味しているうちに気が付くと入手していることが多く、いわゆる「痒いところに手が届く」ものが多い印象を受けます。最近では下の記事で紹介したX-ポットケトルも個人的にはヒットでした。こちらもよろしければ是非お読みいただけると幸いです。