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Naturehike CloudUp2を1年使ってみた感想【低予算でテント泊したい初心者にはおすすめ】

4.0

Naturehike CloudUp2のレビュー記事です。レインフライとグランドシート、ペグやガイラインなどの必需品が標準で付属しながら実売価格が1.5〜2万円弱と、お手頃価格が魅力の2人用テントです。筆者は日帰りハイキング・登山がメインですが、泊まりが必要な時はこれを使うことがあります。この記事ではCloudUp2の特徴と、実際に1年ほど使ってみて良かった点・悪かった点をご紹介します。

Naturehike CloudUp2

最初に結論を述べると、完璧な製品とは言えないものの基本的な機能と耐久性は十分あり、組み立ても直観的でテント初心者でも安心。ジッパーの滑りがやや悪いこと・出入りがやや窮屈なこと・天井が低めであること等を受け入れられるなら、非常にお買い得なテントと言えると思います。

CloudUp2の仕様と特徴

CloudUp2は前室のある2人用テントです。軽量な20D生地と210T生地の2タイプがあり、今回ご紹介するのは軽量な20D版です。レインフライが付属しますが、スノーフライは別売りされてはいません。スカート付きもモデルもありません。しかしサイズぴったりのグランドシートとペグ・ロープが最初から付属するので、これを買うだけでテント一式が低価格で揃うのが大きい魅力です。

Naturehike CloudUp2

重さは付属品全て込みで1730g。超軽量とは言えませんが、2人用の通気性の良いダブルウォール仕様でこの重量は、2万円以下という価格を考えると優秀と言ってよいと思います。例えばモンベルの人気テント「ステラリッジ2」は別売りのレインフライとグランドシートを合わせると約1.64kgですが、総計5万円ほどします。

Naturehike CloudUp2

(注・写真中の蛍光色のガイラインは筆者が別に用意したもので、CloudUp2にはグレーのものが付属します)。

内部の様子です。人気の山のテント場では1人用テントのほうが少ないスペースで設営できるので有利なこともあるのですが、1人用だと狭すぎて基本的には中では寝るだけになってしまいます。2人用であればパッキングにも十分なスペースがあるので個人的にはこちらが好み。ちなみにCloudUp1という1人用モデルもあります(そちらはグレーのみ軽量版)。

Naturehike CloudUp2

入口の上に小物を置けるメッシュポケットがあります。スマホなどを置くのに良いですね。

Naturehike CloudUp2

ランタンを吊るせるフックももちろんあります。これはヘッドランプをモンベルのクラッシャブルシェードに入れた時の写真です。

Naturehike CloudUp2

後部に通気口があります。小さい補強の入った板を持ち上げて固定します。たまに落ちてしまいますが、この上にもガイラインを張ると安定します。

Naturehike CloudUp2

後部のベンチレーションを内部から見たところです。雪山では使っていないのですが、-5℃くらいの氷点下・暴風では寒さは感じませんでした(そこは寝具次第です)。しかし基本的に3シーズン用だと思います。

Naturehike CloudUp2

組み立ては簡単です。グランドシートを敷き、ポールを組み立て、テント本体をフックでポールに吊るし、ポール先端をテント本体とグランドシートの穴に入れます。その後レインフライを上にひき、フライ四隅のバックルをテント本体のバックルと結合します。なおグランドシートにもバックルがあるので、インナーテントを使わずに床付きのタープのようにも運用できます。

Naturehike CloudUp2

テント両サイドにも小さいバックルがあり、レインフライにパチッとはめます。

組み上がったら四隅を付属のペグで固定し、ガイラインを張れば完成です。風が強い時は中にザックを置いて重しにして、先に軽くペグダウンしてからフライシートをかけても良いでしょう。作業に特段難しいところはなく、テントを扱ったことのない方でも無理なく組み立てられるようになっています(ガイラインの仕組みやペグの打ち方などは予習しておきましょう)。

CloudUp2の良いところと悪いところ

良いところ

CloudUp2の長所は、まず安くて軽いところ。先にも触れたようにモンベルの近いスペックのテント、ステラリッジ2だと付属品込みで5万円ほどします。比べると100gほど重くはなりますが、半額〜三分の一の値段で買えるのはお買い得感が高いです。

Naturehike CloudUp2

また耐久性は申し分ないと思います。激しい雨の中でも浸水などは全くありませんし、海のそばのキャンプ場で風速10mの夜でも何度も耐えてくれました(張り網はちゃんと張るのが大事)。丈夫です。あとは付属の赤いペグがなかなか軽量で使いやすいのも気に入っています(いくつか紛失してしまったのでシルバーのものは別ブランド品です)。

Naturehike CloudUp2

あとは直観的に組み立てられるのも良い点です。説明書は読んだほうが良いですが、説明書がなかったとしても「これはここと繋ぐのか」と初心者でもなんとか理解できると思います。ポールの前後の高さが違うこと、入口側が高くなっていることだけわかればOK。ちなみにポールの一部は自然なカーブが出るようにベンドしていますが、不良品ではありません。

悪いところ

悪いところはまず、ジッパーの滑りが悪いところです。インナーテント・レインフライ前室のジッパーともに、固くてなかなか動かせない時があります。壊れてはいないので強度はあると思うのですが、ここがいちばん残念なところです。しかしこれは高価な超軽量テントでもたまにあることなので、仕方ないかもしれません。焦らず丁寧に扱うしかないでしょう。

また、横方向の広さは十分満足なのですが、天井が少し低いです。身長が大きい方は特に縦方向が窮屈と感じるかもしれません。出入り口も狭いです。このあたりは気になります。

それを除くと、ポールの耐久性もシートの耐水性もいまのところ合格で、通気性も問題なく良し。スカートはありませんが、設営場所や寝具を工夫すれば氷点下でも普通に使えます。ただし筆者は関東の人間で、氷点下であっても積雪の中でこのテントを使ったことはありません。そのため雪山でどうなのかの評価はしません。

もうひとつの短所しては、超軽量テントに比べると袋に収納した時にやや大きめにはなるので、ポールは取り出してザックに縦に入れ、テント本体は必要なら圧縮するなど、パッキングの工夫は必要になります。テントの中では寝るだけであれば、1人用のCloudUp1を選ぶのも手です。

公式には4シーズン対応テントを謳っていますが、3シーズン用としては問題なく使えると思います。フライシートやポールといった部品の単体売りがないところも短所ではありますが、ポールの応急処理部品だけは販売されているので、私はいつも1本持っていきます。しかしペグダウンと張り網をしっかりやったところ暴風雨の中でも壊れなかったので、耐久性はあまり心配していません。

春〜秋にテント泊登山に挑戦してみたい初心者の方で、低予算で済ませたい方にはおすすめできます。実売価格は1.5万〜2万円弱。これ以上軽量でコンパクトな製品となると、大体5万円からになります。テント泊入門としてはとても良いと思いますよ。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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