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シューズの脱臭にあれこれ試してみたものの結局いちばん効いているのはこれ【オキシクリーン】

5.0

ハイキングや登山、トレランで使うシューズがクサい。陰干ししてしっかり乾かしても、洗濯してもクサい。どう考えても細菌自体は完全に死滅させたはずなのに、ニオイだけが消えずに残る。

オキシクリーン

単刀直入に結論から書きますと、筆者の場合は最終的に「オキシクリーン」という洗剤で解決しました。詳しい使い方は最後にご紹介するとして、まず「他に試してみたけれどあまり効果がなかったもの」から振り返っていきたいと思います。

ファブリーズ

まずはどのご家庭にもあると思われるファブリーズ。筆者のシューズが激臭を放っていた時は、これでは全く臭いが取れませんでした。もう全然無理。

ファブリーズ

ファブリーズ自体は日常的に服や寝具、ぬいぐるみに吹いたりすると確かに消臭効果はあり、良い製品だとは思います。しかし、異臭を放つレベルのシューズの前では完全に無力でした。

重曹

次、重曹(炭酸水素ナトリウム・sodium hydrogen carbonate)です。水100mlあたり5gの重曹を溶かした「重曹水」を作り、バケツに入れてシューズを浸け置く。その後に洗濯。山歩きの後はまめにスプレー。お茶パックにたっぷり粉末を入れてシューズ内に一晩置いて臭いを吸着させる… 等々試しましたが、これもやはり「激臭シューズ」に対しては焼け石に水でした。

重曹

台所や浴槽のお掃除では確実に汚れが落ちるのですが、「シューズの繊維に染み込んだ臭い」はほんの少し和らぐ程度かな、という印象です。シューズに鼻を突っ込んでみると「基本的には何も変わっていない」ことを思い知らされます。陶器の茶渋などはすごくよく落ちてくれるのですが…

ちなみに重曹もお茶パックも、100均ショップで安く手に入ります。山菜のアク抜きにも使えますね。ワラビとか。

焼きミョウバン

次、焼きミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム・Potassium alumの無水物)。水100mlあたり3gの粉末を溶かし、それを「原液」として10倍に薄めたものをシューズにスプレーして使います。これは、体感的には重曹よりも効果があるのでは? と感じました(臭いのタイプにもよるのかも)。しかしやはり「ちょっとマシになる程度」という感じで、臭いの「根本的な除去」には到底至りませんでした。

焼きミョウバン

しかしこまめに使うことによって、シューズが「悪臭発生装置」と化するのを予防する効果はありそうだ、と感じています。山歩きのあとはインソールを外してこれをシューズの中とインソールに吹きかけてから陰干ししています。なお原液を作る時、ミョウバンの粉末が水に溶け切るまでに2日くらいかかります。焦らず放置しておきましょう(たまに振ると良いです)。

オキシクリーン

さて本題です。結局のところ、臭いの除去にいちばん効いたのが私のシューズの場合、アメリカの洗剤「オキシクリーン」でした。分類的には、酸素系の漂白剤です。シューズで使っても繊維を痛めにくい、安全なタイプの漂白剤と言えます(※レザー素材のシューズには使えませんのでご注意ください)。

オキシクリーン

パッケージ裏にある取説には、漬け置き洗いの場合、40〜60℃のお湯4Lあたり、付属スプーンの「ライン2」まで入れた粉末を溶かし、1〜6時間漬けおく、とあります。私は最高の効果を求めていたので、バケツに60℃のお湯をはってオキシクリーンを混ぜ、シューズをきっちり6時間漬けました。

オキシクリーン

その後は洗濯機で普通に洗濯し、脱水。インソールを外したシューズにそのへんにあった包装紙を突っ込み(新聞紙があれば便利なのですが、新聞は取っていません)、扇風機の風を一日当てておきました。

オキシクリーン

すると「ちょっとマシになった」とか「臭いが和らいだ」というレベルを超えて、「臭い成分がほぼ完全に除去されたステージ」に到達した、という印象を持ちました。シューズに鼻を突っ込んだままスーハーしても、死にません。履き古した普通の中古シューズの匂いです。ついに勝った…

高温多湿の季節は要注意

ところで、なぜシューズは臭くなるのでしょう。汗をかくから、と言われますが、実は汗自体には匂いはないという話があります。しかし皮脂や角質が汗に混じり、ソックスやシューズに浸透する。するとそれをエサにして、常在菌が増える。さらに湿度が高いと(つまり蒸れていると)、細菌は指数関数的に爆増する。すると悪臭の元となる脂肪酸が増える、という原理らしい。

オキシクリーン

様々な手段(お湯や紫外線など)で殺菌しても、シューズに染み付いたその酸(主に吉草酸と言われる)は取れない、ということなのだと思います。原因菌を死滅させても、細菌による代謝物・老廃物が残っているようなイメージなのでしょうか(すると酸性の臭いの脱臭効果があるとされる重曹に、もっと効果があっても良いような気がするのですが)。

オキシクリーンの主成分は、Wikipedia英語版によると「炭酸ナトリウム過酸化水素化物・炭酸ナトリウム・過酸化水素」で、これが水に溶けると「過酸化水素」になるのだそうです。ちなみに日本の薬局で売っている外用消毒剤の「オキシドール」も過酸化水素です。つまり、消毒・殺菌成分がある。でも、なぜ臭いも取れるんだろう。

シューズの脱臭については、人によって重曹がいい、ミョウバンがいい、底に10円玉(=銅)を敷きつめるのがいい、活性炭がいい、メリノウールのソックスを使うといい、指が独立しているソックスだとなお良い、等々、様々な意見があるようです。

私もそれらすべて試してみましたが、瀕死状態のシューズへのファイナルアンサーはオキシクリーンでした。しかしなぜこれで解決するのかは、未だによくわかりません。よくわからないけれど、効いているので良しとします。

しかし、あくまで「私の臭いシューズ」についてはこれで解決した、という話なので、もし読者の方のシューズで効果がなかった場合はご容赦ください。臭いの原因にも、いろいろあるのだろうと思います。

ちなみに普段の洗濯でも、通常の洗剤にオキシクリーンを適量加えて使うようになったのですが、バスタオルなどの生乾き臭も使うたびに確実に減っていくのがわかります。もう手放せないですね。色落ちもほとんどしないように感じます(保証はできませんけれども)。これもう捨てないとダメかな? と思えるシューズばあれば、一度試してみてはどうでしょうか。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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