田舎に借りている山小屋の野菜畑で作業していたり、花壇の雑草を抜いたりしている時、ニホンアマガエル(Dryophytes japonicus/Japanese tree frog)の姿をよく見かけます。3月頃から増えてきた感じです。
近付きすぎると逃げてはいきますが、あまり人を怖がっているふうでもありません。身体の色を周囲の環境に似せる擬態(カモフラ)の能力があるらしく、目立たないのでうっかり踏みそうになります。
これなどはまだ擬態というふうでもなく、ごく平常時の、いわば「通常モード」の色あいなのかなと思います。
■ 撮影機材:OLYMPUS E-M5 mark III / 12-45mm F4 PRO(本記事内の写真すべて)
笹の葉に擬態?
しかし、下のアマガエルには驚きました。笹の葉の上にちょこんと乗っているのですが、一口に「黄緑色」といっても上のそれとはだいぶ違っていて、笹の葉の「ずんだ餅」っぽい緑色に寄せているように見えます。少し抹茶っぽい感じの色です。
こちらは上の写真のクローズアップ。身体の横の茶色・褐色の模様が、笹の葉の表面の病気のような斑点によく似ています。まぁ体側はもともとこんな雰囲気の色あいなのかもしれないのですが、この近辺で見かける他のアマガエル個体と比べてみても、これは明らかに笹の葉の模様に「寄せている」ように感じて驚いたのでした。偶然かどうか、専門家の意見を聞きたいところです。
こうやって見ると、本当に大豆をすり潰して作る「ずんだ餅」のような発色です。笹の葉の光を反射しているところに似ているように見えます。
セラミックの置き物のようにも見えて、笑ってしまいます。
これなら天敵にも発見されにくそうです。本人もそれを知っているのか、のんびり日光浴していました。
土にも擬態?
一方こちらは、畑の土に擬態していると思われるアマガエルです(ぱっと見てすぐにわかるでしょうか!?)。長靴で畑を歩いていると「ピョン!ピョン!」と跳ねて、うわっそんなところにいないでくれ! と焦ります。これも単に「土っぽい色」ではなく、その場の粘土質の土の特徴をよく捉えた擬態のように見えるのは私だけでしょうか。
見事と言わざるをえないカモフラージュのスキルですが、人間に対してはこれが災いしていると言わざるをえません。見えないので踏んでしまうからです。本当に困ったものです。
土色と緑色の中間状態?
土色から緑色に変わりつつある(またはその逆?)中間状態の個体も見つけました。右脚がないように見えて少し可哀想ですが…(私の草刈り鎌が原因でないことを祈るばかりです)。
背中側が淡い土色、体側が薄緑色になっています。アマガエルの体色の変化はホルモン分泌によって起こるため、色が完全に変わるまでは結構時間がかかるのかもしれません。カメレオンのように瞬時にサッと色を変えられるわけではないようです。
銀色にはお手上げらしい
これは銀色のシンクの片隅に鎮座するアマガエル。
銀色には変身できないのかもしれないですね。それか、この色は認識できていないのか。しかしこれでは居場所がバレバレで、鳥に簡単にさらわれてしまいそうです。
草刈り機や鎌で雑草の処理をする時など、ピョンピョン逃げていくこうしたアマガエルを頻繁に見かけます。うっかり傷付けてしまわないか心配で、作業がはかどりません。アマガエルの最大の天敵は、農村ではもしかすると人間ではないかと思ったりもします。
■ この記事はお楽しみいただけましたか? もし当サイトの記事が何らかのお役に立てたようでしたら、日用品などのお買い物の際など、サイト内のAmazonリンクからお店に行っていただけると大変励みになります