山のコラム

机やテーブルを一枚板にしたら家の中に山がやってきたような感じになった【伊豆大島の三原山のようなイタヤカエデ】

今年になってから、書斎机やテーブルを次々に新調することになりました。それまではイケアや北欧風デザインの家具店で売っているような大量生産品を使っていたのですが、現在は「オイル塗装の一枚板」を、アイアン脚の上に置いて使っています。

すると、気付いたことがありました。それは、木の断面が何故か地形図に似ているということです。

イタヤカエデ一枚板

伊豆大島・三原山のようなカエデの板

下はイタヤカエデという木の一枚板です。硬い広葉樹の板で、薄いわりに重量感があります。これは木目や、黒っぽく見えている朽ちた部分(腐って抜け落ちた部分)の補修跡の模様に一目惚れして買ったのですが、サブデスクとして使っているうちに「あれ!?」と驚いたのです。

イタヤカエデ一枚板

板目杢の曲がった線が、地形図の等高線のように見えてきたのです。ここは谷、あそこは崖… 右上には平らなコル(鞍部)まで見えてくるではありませんか。

イタヤカエデ一枚板

山頂の黒く朽ちた部分は、さながら火山の噴火口のようです。これは地理院地図で見る伊豆大島の三原山(写真右)の姿によく似ているのです。

イタヤカエデ一枚板

木の年輪が地形図の等高線のように見えるのは、偶然の一致にしてはできすぎではないでしょうか。数学や幾何学(フラクタル図形とか)の文脈で何か説明が付くのでしょうか。

朽ちたところは、黒いスコリアで埋められた三原山の裏砂漠のようです。あまりにできすぎな話ですが、我が家の中に大好きな三原山がやってきたかのようで嬉しくなったものです。

イタヤカエデ一枚板

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家の中に山がやってきた

このイタヤカエデをきっかけに、我が家には次々と一枚板が増えていくことになりました。東北の岩手県・一関市にある木の店さんもくというお店をよく利用するようになり、下もそのお店で買った小さめの岩手ヒバの一枚板です。これはほぼ荒木の状態で売られているものを、自分でヤスリがけてしてオイル塗装しました。植物を日光浴させたり、手入れする時に主に使っています。

ヒバ一枚板

このヒバ板もまた、眺めていると地形図のように見えてきます。これは山頂までがものすごい急登だ! 穴の空いているところは、ダム湖かな。虫食いの跡は、川のように見えてきます。これは現実に存在したら剣のようなすごい山になりそう。

ヒバ一枚板

仕事机も一枚板にしました。これも木の店さんもくで買った「自分で仕上げる一枚板」シリーズのスギ(秋田産)です。広々としているので、地形図に磁北線を引くのも余裕です。

スギ一枚板

仕事机をこのスギ一枚板に換えてから、仕事の効率がものすごく上がりました。それも当然で、この机の前に座るのが楽しくて気持ち良いので、仕事の時間が長くなったからです(つまり、実は作業時間が増えただけで効率はアップしていない説もある)。

スギ一枚板

これまではどちらかというと、家具などには一切こだわりや愛着を持たず、ミニマルでシンプルで安いものを使ってきました。しかしそのうちに使い捨てになる家具が少しづつ増えてきてしまい、あまり良い気持ちではありませんでした。

こうした無垢材の一枚板は、ずっと使えます。間違いなく私よりも長生きします。もし何らかの理由で使わなくなっても、喜んでもらってくれる人がいると思うので、捨てることにはなりません。あとは、アイアン脚にのせているだけなので引っ越しする時も楽だと思います。

山に行けていない時でも、木に触れることで山と自然を思い出せるのが良いです。まるで家の中に山がやってきたかのような暮らしになりました。たまにこういう板の上にキャンプ用品を陳列して気分に浸ることもあります。

変わった板が手に入る「木の店さんもく」

私がこれらの板を買った「木の店さんもく」の店主さんは、いろいろな質問に気さくに答えてくれる面白い方で、ヤスリがけやオイル塗装のコツなども教えてもらいました。個人的にとてもおすすめできるお店です。普通のお店ではあまり扱っていないような、どこかいびつだったり、虫食いの跡があるような、変わった板がたくさんあって面白いです。

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私が買った「自分で仕上げる一枚板」シリーズの板は、紙やすりで台面や耳の部分を少し磨いてから、「インダストリーコーワのステイン用コテバケ」を使い、「オスモカラー・カウンタートップオイル #3046 5分ツヤ」を3回くらい重ね塗りして仕上げました。自分で仕上げることで愛着が湧きます。

こうしたDIY作業は、キャンプやブッシュクラフト好きな方ならきっと楽しめると思います。量産の机や家具がどうも好きになれないなぁ、という方は一枚板を自分で仕上げてみてはどうでしょうか。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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