山と食

秩父名産「しゃくしな」のそばを食べてみた(秩父鉄道・御花畑駅にて)

西武秩父線(埼玉)の西武秩父駅から秩父鉄道の御花畑駅に乗り換えるとき、いつも駅近の立ち食いそば店が気になっていました。駅前にひとつ、駅舎内にもうひとつと2店あるのですが、朝に三峰口方面に向かう時は連絡が良いので食べる時間がありません。しかし先日、宝登山長瀞の石畳に遊びにいこうとしていた時は時間があったので、何か食べてみることにしました。

秩父そば 御花畑駅そば店

立ち寄ったのは駅併設の「秩父そば 御花畑駅そば店」。さあ何にしようか、とメニューを眺めると「秩父 しゃくしなそば」が目を惹きます。しゃくしな…? 少なくとも東京のそば屋さんでは見聞きしたことがありません。「こだわりの特挽地そば・秩父特産しゃくしな漬けの油炒め」ともあります。秩父名物なら食べないわけには行きません。

酸味のあるさっぱりした油炒め

というわけで出てきたのがこちら。ちょうど真ん中にある菜っ葉の油炒めが「しゃくしな」です。調べると「しゃくし菜・杓子菜」ともされるアブラナ科の野菜です(由来は杓子・しゃもじに似た葉の形状から)。白菜やチンゲン菜、レタスや水菜などの仲間(見た目は背の高いチンゲン菜に似ている)。するとビタミンもミネラルも豊富なはずです。480円。

しゃくしなそば

早速一口食べてみると… んっ!? なんか酸っぱい… ちょっと意外な味。何にも似ていない感じです。しかしどことなく、キムチを思わせます。全然辛くはないのですが、キムチのような酸っぱさ。そうか、これは発酵させた漬物を油炒めにしたものなのか! とようやく気付きました。蛋白、かつ塩分控えめな感じのやさしい味です。

しゃくしなそば

わかめとともにいただくとさっぱりした味で、天かすも付いてほど良く満足。そば自体もつゆもすごく美味しい。しゃくしな自体は、少し慣れが必要な感じがして私は次回頼むかどうかわかりませんが、お酒のおつまみに良さそうだと思いました(何回か食べるとクセになりそうな気はします)。居酒屋さんにもあると嬉しい。

しゃくしなそば

秩父では寒さが厳しいため、大根や白菜よりもこのしゃくし菜のほうが育てやすいことから郷土料理になったのだそうです(大根は特に下に伸びるので粘土や岩の多い土壌では育てるのが難しいらしい)。家庭で漬けているところも多いのだとか。酸味のある野沢菜炒め、という感じの味でした。白菜の漬物とは全然違う味だと思いますが、ごはんのおかずにも合いそうです。

秩父そば 御花畑駅そば店

この「秩父そば・御花畑駅そば店」には「SLカレーラーメン・SLカレーうどん」なるものもあり、それもいつか食べてみたいところ(SLカレー単体はこのお蕎麦屋さんの左にある自販機でも売られていました)。ベースとなるそばとつゆがとにかくおいしいので、何を食べても外れはなさそうです。お店のおかあさんも親切な人でした。おすすめです。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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