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OSPREY TALON 26を1年使ってみた感想【日帰り低山ハイキング向きザックの王様】

4.5

OSPREY TALON 26(オスプレー・タロン26)のレビュー記事です。日帰りの低山ハイキングでかれこれ1年ほど使っているのですが、30L以下のお気楽ザック・軽装縦走ザックとしては筆者が最も気に入っているものです。基本的に短所らしい短所がなく、友達にも積極的に推薦できる、優秀なザックです。詳しく見ていきましょう。

OSPREY TALON26

記事最後にも書きますが、TALON 26の女性用モデルはTEMPEST 24が最も近いです。OSPREYではほぼ同じスペックのザックが男性用・女性用でモデル名が違います

良いところ

TALON 26には背面長がS/MとL/XLの2種類があり、筆者が使っているのはS/Mサイズのほうです。実は背面長によって容量も違い、S/Mは24L、L/XLが26Lになります。重さはS/Mで890g、L/XLで960gと非常に軽量です。まずこの軽さが素晴らしいです。急登・急下降が多い日、長距離を歩く日はありがたみを感じます。

OSPREY TALON26

背面にはメッシュパネルもあり、通気性が良く快適です。またハイドレーションパックはバッグの外側(メッシュパネルの裏)に入れるようになっているので、装着の手間が少ないないのも良いところ。

OSPREY TALON26

基本的な仕様として、メイン開口部が1つ。内部にキークリップ付きメッシュポケット1つ。フタ外側にポケット1つ。背面に大きいストレッチ・メッシュポケットが1つ。両サイドにボトルを挿せるストレッチ・メッシュポケットが2つ。ヒップベルト・ポケットが2つ。ショルダーハーネスにメッシュポケット1つ、という構成。これらが過不足なく、かつ配置も良くてとても使いやすい。

メイン荷室の上側は開口部がウチワのような形になっていて、慣れないと妙な感じはするかもしれませんが、ガバッと開けるので内部へのアクセスはラクラクです。サイドやボトムからのアクセスはありませんが、このサイズだとそもそも不要。また、日帰りなら1気室で十分です。

OSPREY TALON26

背面の何でも放り込めるストレッチ・メッシュポケットが便利で、折りたためるキャップや地図、行動食、レインウェアやザックのレインカバー等を入れておくのに便利です。ちなみにTALON 26にはレインカバーは付属しないので、私はOSPREYの他のザックのレインカバーを共用しています。座布団(マジックマウンテンのナノテクシットマット等)を入れることもあります。

OSPREY TALON26

ヒップベルトのポケットは、大容量とまでは行かないもののたっぷりとしていて、私が愛用しているオリンパスの双眼鏡(OLYMPUS 8×25 WP II)もギリで入ります。コンパスや小銭、行動食や熊鈴などもよく入れます。ジッパーの滑りも素晴らしい。ストラップ類の長さも買った状態で過不足のない長さで、ちゃんと実際に使ってみてこのような設計になっているのだろうと感心します。

OSPREY TALON26

左サイドにはトレッキングポールを一時的に格納することもできます(Stow-on-the-Goというシステム)。ザックを降ろさずにストックを取り出したり、取り付けたりできて便利。両サイドのメッシュポケットに入れたボトルも、よほど身体が固い人でない限り無理なく出し入れできる位置に配置されていると思います。私はザックを降ろさずにボトルの出し入れができています。

OSPREY TALON26

総括すると「シンプルかつ使いやすい」という評価に尽きます。何をするにもストレスを感じるところが少ない。実際に背負う人・歩く人のことがよく考えられている。ポケットもストラップも、ミニマムというわけではないものの、決してやりすぎでもない。異様に完成度が高い。枯れている。私にとって、これは日帰りハイキング用ザックの王様です。

あまり良くないところ

と、ほぼ100点満点のザックではあるのですが、あえて短所かもしれないところを再考してみると、荷室にアクセスするためのウチワ形状のフタは、ガバッと開けて便利ではあるものの、ジッパーがたまにひっかかる時があります。これは、ジッパーの品質が悪いのではなく、ジッパーラインの配置の問題なので、慣れで回避できます。ただ唯一ストレスを感じるところではあります。

OSPREY TALON26

あとはレインカバーが標準で付属しないところは不満に思われる方はいるかもしれません。日帰りであってもレインカバーは絶対にあったほうが良いので、雨対策として、30L程度のザックに対応する汎用的なザックカバーを別途購入するか、ザックの中に30〜40L程度の大きいドライバッグを入れ、荷物をすべてその中に入れて運用する等の工夫が必要です。

あと、売っているお店が少ないところも短所といえば短所かもしれません。

容量の目安と女性サイズについて

入るものの目安ですが、私の場合はレインウェア上下、ハードシェルまたはソフトシェルジャケット1枚、クッカーセット、2食分程度の食料、500mlの水1〜2本、ミラーレスカメラ1台と交換レンズ1〜2本を詰めることが多いです。加えて、緊急用ツェルトも入る余裕があります。宿泊しないのならこれで困ることはない容量です。本格カメラを持たない人ならもっと余裕が出るでしょう。

日帰り低山ハイキングの後に温泉に寄ってくる時の着替えも入りますし、民宿やホテルに一泊するような登山でも便利に使えます(小屋泊やテント泊をするには容量不足ですので、念のため。TALONには大きいモデルもあるので、そちらも併せてチェックしてみて下さい)。

ちなみにTALONシリーズは男性用なのですが、ほぼ同じスペックの女性用ザックはTEMPESTというモデルになります。今回紹介したTALON 26の女性版は、TEMPEST 24に相当します(TEMPEST 24のWM/Lサイズは容量24L、WXS/Sサイズが22Lでやや小さい)。

女性の友達に「これからハイキングをはじめてみたい」と相談されたら、間違いのない選択として私はまずTEMPEST 24を推薦すると思います。OSPREYのザックは他にもいくつか使っているのですが、総じて満足感が高いです。

このTALON 26があまりに気に入っているので、私はテント泊用のザックもいずれ他社製品からTALON 44に買い換える予定です。TALON 44は、TALON 26を大容量にしてトップリッド付きにしたようなモデルです。寝袋やテントも入れるなら、こちらですね。

著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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