式根島の神引(かんびき)展望台に行ってきました。神引展望台は新東京百景にも選ばれている、式根島歩きでは外せない観光名所のひとつ。実際に訪れてみたところやはり一訪の価値がある素晴らしい場所でした。
アクセスも良好で、老若男女を問わず誰でも気軽に絶景を楽しめると思います。そして気軽に足を運べるところとしては、非常に格の高い名所だと感じました(式根島全体がそういう島であるという印象があります)。
港からわずか徒歩30分で入口に着く
場所は式根島のやや西寄り。下の地図(現地で撮影)は左側が北になっています。東海汽船の大型船やジェット船、新島と式根島を結ぶ連絡船にしきが発着する野伏港からは直線距離で1.5kmほど。式根本道(舗装路)を30分も歩けば、展望台入口に着きます。
下の写真が神引展望台の入口です。この右手に立派なトイレがあります。自販機はないので、あらかじめ村内で飲料を準備しておきましょう。神引展望台に登った後は唐人津城や御釜湾遊歩道もあわせて歩いてくるのがおすすめなので(時間もそれほどかかりません)、冬でも水は1Lほど持っておいたほうが良いです。
神引展望台までの道は整備されていて歩きやすいです。展望台の先にも少し道があり、そこを歩く場合はきちんとしたハイキングシューズのほうが良いですが、展望台まではサンダルでも登れるほどです。傾斜もゆるやかです。
階段の途中から入口を振り返ったところです。この階段は100段あります。
筆者は神引展望台を2回訪れました。初回は天気が悪かったので、拠点にしていた新島の羽伏浦キャンプ場から後日また訪問しました。下は2回目の訪問時、比較的好天に恵まれた日の写真です(2024年12月撮影)。左に曲がると展望台で、右はリアス式海岸を眺めながら下っていける遊歩道になっています(そちらは「出会い橋」に至るトレイルとなっています。片道35分)。
ここが神引展望台とされる場所です。新島やその向かいにある無人島の地内島(じないじま)、利島やその近くにある無人島の鵜渡根島(うとねじま)、大島などが見えます。天気が良ければ左手側に当然富士山も見える高さです。
眼下に見える入江はカンビキ浦。この海は、新島で見られる美しいエメラルドグリーンと同じ色でした。砂が白っぽいとこういう色になるのだろうか、と思いました。
上で見えている島々の位置関係です。
展望台の先にもうひとつのピークがある
さて、神引展望台が本当に素晴らしい名所と感じたのは、その先の道を歩いてからでした。コンクリの道が終わると、新島の石山や神津島の天上山や神戸山のような白っぽい岩の道になり、その先にもうひとつの展望台的なピークがあったのです。
縦構図で写真を撮ってみたら、ダイナミック感が少し伝わるような感じがしました。流紋のある、もろいコーガ石。もとは大きいスラブがあり、長い時間をかけて風化して割れていって現在の姿になったのかな、と想像します。
このピークには丸山の方角石、と呼ばれるものがありました。伊能忠敬と縁のある方角石のレプリカです。この地点には特に名前はないようなのですが、神引展望台といえば実質的にはここのことを指すのかな、と思いました。この付近で標高99.8mと言われています(式根島の最高地点と呼ばれることはあるものの、地理院地図によると実際は唐人津城の109mが最高地点と思われます)。
丸山の方角石のあるところから「神引展望台」の案内板のあるところを眺めた写真です。素晴らしい景色です。新島は、ちょうど石山ハイキングコースがこちらを向いている感じになります。なお南東方面には三宅島や神津島もバッチリ見えていました。
式根島は「式根松島」とも呼ばれるほど松の木がたくさんありますが、松以外にもさまざまな裸子植物が生えています。オオシマハイネズの絨毯もあちこちに見られ、コニファー好きの方にはたまらないと思います。
神引展望台から丸山の方角石までは踏み跡のある遊歩道となっていますが、そのあいだに広がっている沢のようなエリアも神津島の天上山のように歩くことができます。こうやって見ると、下の写真の場所は天上山の不入ガ沢(はいらないがさわ)に雰囲気がよく似ていますね。
私は神引展望台を下ってきた後、唐人津城(とうじんづしろ)に足を伸ばしました。そしてその唐人津城では、神引展望台をさらにスケールアップしたような風景と体験が待っていたのでした。神引展望台と唐人津城は、セットで歩くのがおすすめです。唐人津城は下の記事で歩行紀を紹介していますので、こちらもぜひお読みください。
■ この記事はお役に立てましたでしょうか? もし当サイトの記事が何らかのお役に立てたようでしたら、日用品などのお買い物の際など、サイト内のAmazonリンクからお店に行っていただけると大変励みになります