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OSPREY TALON 44 軽装テント泊に至適・日帰りでも使えるストレスの少ないザック【超お気に入り】

4.5

OSPREYの軽量なマルチデイ・アドベンチャー対応バックパック「TALON 44」のレビュー記事です。購入してまだ間もなく出動10回程度なのですが、1年以上愛用しているTALON 26と同等以上の使いやすさで、早くも大のお気に入りザックになってしまいました。この記事ではTALON 44の良いところ・あまり良くないところについて書いてみます。

OSPREY TALON 44

良いところ

まず基本スペックですが、サイズはS/MとL/XLの2種類があり、それぞれ背面長の調整幅が違います(各サイズともベルクロで背面長を変えられます)。そして容量はサイズL/XLの場合は44Lですが、S/Mの場合は42Lになります。また、TALON 44に相当する女性用モデルはTEMPEST 40になります。筆者が購入したのはS/Mサイズで、公称重量は1338g(約1.34kg)。

OSPREY TALON 44

1〜2泊のテント泊用に、他社製品から乗り換えました。選んだ理由は、まずバックパネルのある42Lクラスとしてはかなり軽いこと。例えば以前レビューしたMILLET SAAS FEE 30+5(拡張時35L)はサイズSで1.45kgあるのですが、それに比べると容量はより大きく、より軽量です(ただし後述しますが、軽いのは生地が薄めだから。サースフェーが悪いわけではありません)。

また、少荷物の日帰りハイクで使っているTALON 26の使い勝手が良すぎたので、テント泊用ザックを新調する時はTALONの大容量版を試そうと思っていたからです。

トップリッドは可変式で(上に少し伸びる)、ポケットは表と裏に1つづつ。両サイドに深いポケットがあり、歩行中にストックの収納ができるSTOW-ON-THE-GOループもあります。ハイドレーションシステムにも当然対応。大きいウエストポケット2つ。内部は1気室で、ジッパーでボトムからもアクセスできます。表面には大きいメッシュポケットがあり、レインウェアや地図や行動食などを雑に突っ込んでおけます。

OSPREY TALON 44

両サイドのポケットは深さも幅も余裕があり、ザックの中が一杯でもNalgeneの1Lボトルがギリギリ入ります。しかもポケットの下からもボトルの出し入れができます。さすがにNalgene 1Lだと下からは出せないのですが、500mlペットボトルは勿論のこと、サーモスの山専用ボトル(500ml)も下から入れられます。MILLET SAAS FEE 30+5の場合、先細りのボトルでないと下からはアクセスできないので、この点は嬉しかったですね。

OSPREY TALON 44

左ショルダーハーネスの小ポケットは微妙なサイズですが、行動食の包装紙など、ゴミ入れに使っています。プロテインバー程度は入るサイズ。

内部の収納力は所有ギアとパッキングの工夫次第なところはありますが、私の場合は2人用テント一式、3シーズンシュラフ、シュラフ用フリースインナー、ピロー、ダウンパンツ、象足、レインウェア、トイレタリーに救急セット、クッカーセット、食料など、1〜2泊は問題なく行動できる荷物が入りました。私のテントと寝袋はNaturehikeの安くて少しかさばるものが多いのですが、それでも全く問題ありません。加えてミラーレスカメラ1台とレンズ2本が入ります。

OSPREY TALON 44

いちばん下に寝具や着替えなどを入れ、中央にクッカーと食料(ここまでを防水パックライナーに入れました)、いちばん上にテントやグラウンドシートを入れていました(テントポールは縦にして内側サイドに)。すると上の写真のように、上までパンパンになります。

TALON 44はトップリッドが被せやすく、形も整えやすい。フレームにも引っかからず、ストレスがありません。

OSPREY TALON 44

荷物が少ない日帰り登山で使っても、サイドのコンプレッションを絞ればまあまあ違和感のない大きさになります。本当に低山ならこの容量のザックは不要ですが、調理器具やカメラなど道具を多く運ぶ必要がある時は日帰りでも大活躍します。かさばる防寒着を雑に入れられたりもします。

OSPREY TALON 44

背面長はTALON 26同様、AIRSCAPEロゴの内側にあるベルクロ接着のパネルをベリベリと剥がして付け直すことで、上下方向に調整できます。ショルダーハーネスもウエストベルトも厚すぎず・薄すぎずでこれまたストレスがなく、背負い心地はバッチリ。1日20km超のロングハイキングや標高差1500m程度の登山でも使いましたが、もう惚れてしまいました。当分これがメインです。

あまり良くないところ

基本的には大絶賛のザックなのですが、気になったところはあります。といっても、ハイドレーションシステムくらい。TALON 26では同社製の1.5Lパックがストレスなく簡単に出し入れできるのですが(荷物が入っている時でも)、TALON 44だとかなり窮屈で、ザックの中身がパンパンだと脱着が困難でした。これは意外でした。しかしザックを降ろさなくても左右のサイドポケットにアクセスできるので、水は500mlボトルで対応することにしました。

OSPREY TALON 44

あとは、人によっては生地が薄いと感じるかもしれません。このザックは軽快で速いハイキングを意識して作られているものなので、生地は同社のKESTREL(や女性版のKYTE)シリーズなどより耐久性は劣ります。丈夫さと軽さのどちらを優先するか、主にどういう山を歩くかによるでしょう。ただ、それほど華奢だとも思いません。

また、TALONシリーズに共通のことですが、レインカバーは付属しません。私はSEA TO SUMMITのウルトラSIL パックライナー(Sサイズ:30-50L)を中に入れて対応しています。このパックライナーSはトップリッドを上まで伸ばした長さに合わせるとロールアップできないので、全てライナーに入れたい方はもうワンサイズ大きいものを選ぶと良いでしょう(Mサイズなど)。

このザックではレインカバーは使わないことにしました。歩行時にザックを下ろしてレインカバーを付けるのは少し面倒。トップリッドのポケットに入れる細々としたものも全て小さいドライバッグに入れています。オスプレー純正レインカバーは、どのサイズもTALON 44と微妙に合わないという海外レビューも目にしました。またクローズドセルマットなどをボトムに括ることを考えるとやはりパックライナーのほうが運用は楽かなと思います。

個人的に気になった点はそのくらいです。

直観的に扱えるシンプルで軽量なザック

とにかくシンプルで無駄がないと感じます。質感も良く、トップリッドもスタビライザーも使いやすい。軽い。背負っていてヘンに当たりが悪くなることもない。何より直観的に使いやすい。もう最高のザックです。よほど鋭い岩に擦ったり、岩場でザックをロープで上げ下ろしするような登山をするのでなければ、耐久性も十分だと思います。

余分なものを削ぎ落としつつ耐久性を極端に犠牲にしてもいない、非常にバランスの良い中容量ザックだと思います。1泊のテント泊なら冬山装備でも大丈夫。2泊以上なら、パッキングと食料の工夫次第でしょう(真冬でなければ余裕のはず)。

OSPREY TALON 44

■ 最近では伊豆大島のテント泊でTALON 44を使いました

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ボトムにチェーンスパイクやレインウェアを入れておくと取り出しも便利(パックライナーの外に出しておく)。2気室になっていてもほとんど使わないので、1気室のほうが仕切りがないぶん軽量になるので個人的には歓迎です。

ほんと不満がありません。相性や好みの問題かもしれませんが、私はオスプレーのザック、どれも好きですね。ただ、日本で売っているお店は多くないので、入手まで結構待ちました。

サイズはS/MとL/XLの2つ。カラーはステルスブラックとセラミックブルーがあります(これ以外のカラーは過去モデルになり、スペックも若干違うので気を付けたほうが良いです)。

OSPREY TALON 44 S/M
OSPREY(オスプレー)
OSPREY TALON 44 S/M L/XL
OSPREY(オスプレー)
著者
ヤムパパー

秩父・奥武蔵・奥多摩・伊豆諸島がホームグラウンドの低山ハイカー。動植物の写真を撮りながら歩くのが好き。日帰りメイン時々テント泊。著述家・翻訳家

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