メッツァ外周コースとは
メッツァ外周コースとは、埼玉県飯能市にあるムーミンのテーマパーク「メッツァ」の周囲をぐるりと一周するようなコースです。2019年春に開業したメッツァの中心には宮沢湖と呼ばれる人造湖があり、かつては宮沢湖を一周できるハイキングコースがありました。
現在では宮沢湖の西側がメッツァの有料ゾーンである「ムーミンバレーパーク」に面しているため、宮沢湖の一周はできないのですが、無料ゾーンの「メッツァビレッジ」から東側の堰提に入り、そこから6.7km(歩行時間約2.5時間)の周回コースを歩けるようになっています。
高低差も43mと少なく、有料ゾーン付近に木段が数箇所あるのみで、体力にあまり自信がない方でも散歩感覚で歩ける気持ちの良い散歩道です。
メッツァへのアクセス情報
「メッツァビレッジ」からスタートする場合、飯能駅からバスで「メッツァバス停」までやってくるのが早いです。乗車時間は約10分。飯能駅から歩いてくる場合は、北口の大きい道をひたすら北上していくとコース途中の「飯能駅分岐」に辿り着きます。こちらは徒歩30分。
■ 宮沢湖周辺の地理院地図(拡大・縮小できます)
このコースを単体で楽しむのはもちろん、健脚の方は一周した後に高麗峠分岐から巾着田に出て日和田山まで足を伸ばしたり、「ほほえみの丘」の先で天覧山方面に向かうのも良いアイデアです。個人的には、秋〜初春がおすすめ(真夏は虫が非常に多く蒸し暑い)。
メッツァ外周コースを歩いてみた
2022年12月中旬、筆者ははじめてこのメッツァ外周コースを歩いてみました。高麗峠分岐〜天覧山分岐・市街地分岐までは何度も歩いているのですが、この周回コース自体は「少し退屈ではないか」と敬遠していたのです。この日は予定していた旅行が船の欠航のため中止になってしまったので、登山準備不要で短時間で歩けそうなコースに思えたここに急遽行ってみることにしたのです。
結論から言うと、想像以上に気持ちの良い道でのんびりウォーキングを満喫できました。道は非常に良く、スニーカーでも問題なく歩けると思います。上り下りも、この反時計回りコースの後半に木段の坂が3ヶ所ほどあるのみで、そこ以外はほぼ平坦路だったように思います。膝を痛めているけれど長時間歩きたい、という場合にすごく良い道だなと思いました。
水辺だけあってか、野鳥の数がすごいです。今回はゆっくりバードウォッチングする時間がなかったのですが、けたたましい鳴き声を楽しめました。同じ埼玉県の狭山湖周辺の林道も野鳥で賑やかですが、宮沢湖周辺も負けず劣らずです。宮沢湖は、狭山湖をコンパクトにして少し明るい雰囲気にしたような印象も受けました。
途中から両側がゴルフ場になります(武蔵丘ゴルフコース)。高麗峠の手前にいくつかこうしたアーチフェンスがあります。人工物ではありますが、上に積もった枯れ葉など風情があってとても良いです。このコースにはシカなどの動物はあまり入ってこれないと思いますが、モグラ塚をたくさん見かけました。
ここは高麗峠分岐です。このすぐ先にベンチのある高麗峠(177m)があり、ここを右折すると巾着田に出ます(下り)。北向地蔵(武蔵横手駅を出発)〜物見山〜日和田山と歩いてきて、ここを経由して天覧山・多峯主山を歩くのは私のお気に入りコースです。この日は快晴で、乾いた大量の落葉をザクザク踏みながら歩きました。派手さはないものの、本当に気持ちの良い道です。
高麗峠の先は、富士山が見えるという萩の峰(私はそこで富士山を見たことがない)を過ぎ、やがて「ほほえみの丘」という広場に出ます。大休止・ランチにぴったりの草原で、木陰には大きく長いテーブルとベンチが2組あります。ここは寄って行かない手はありません。真夏だと草ぼうぼうで蚊に刺されるのですが、秋から春にかけては最高です。
ほほえみの丘のすぐ先で、右手に天覧山に向かう道を分けます。今回は直進します。なお高麗峠〜天覧山分岐までの道は奥武蔵自然歩道の一部になります。
この先に「市街地分岐」と呼ばれる分岐点があり、そこから飯能駅にエスケープ可能(ただし非常にわかりにくい道なのでご注意)。「市街地分岐」を過ぎると、下の写真ような道になります。ここからメッツァまでの道が私には初めてでした。このあたりは特に鳥が賑やか。
やがて「飯能駅分岐」があり、この前後でようやく坂道らしい坂道が出てきます。分岐の先でY字路(湖岸分岐)になり、この時私は間違えてしまったのですが、左折するとメッツァの有料ゾーン「ムーミンバレーパーク」の入口に至ります。私は直進してしまいました(しかしそれが間違った道というわけでもありません)。下がそのY字路の湖岸への道。
分岐に入らずまっすぐこんな道を歩いていくと…(左に見えているのはサザンカの木かな? ちょうど開花期。非常に良く似ているツバキの開花は春。)
やがて樹間右手にメッツァの駐車場・バス停が見えてきました。スタート地点です。
せっかくなのでメッツァビレッジの中を散策することにしました。右手に見える建物(MARKET HALL)には北欧雑貨店が入っており、奥にあるもう1棟(VIKING HALL)にはレストランが入っています。
スタート時は宮沢湖前のこの遊歩道を右に向かったのですが、左側に行くと有料ゾーンのムーミンバレーパークに至ります(わりと距離があり15分くらいかかります)。道標によると、ここからフィンランドの首都ヘルシンキまでは7781km。ロンドンやパリよりも1000km以上近いですね。フィンランドはいつか遊びに行きたい国のひとつです。
左手には「ノルディクス」というカフェレストランがあります。スターバックスもありました。またこの先には「カヌー工房」という木工ワークショップがあり、木製のマグカップ「ククサ」やバードコール作りを楽しめます。お店の方が親切で、ここでいくつかお土産を買いました。自宅で木工遊びをしたくなり、西川材の端材も買ってしまいました。
遊歩道脇にある観葉植物の寄植えがきれいです。
ムーミンバレーパークの入口である「はじまりの入り江」に到着。だいぶ上で紹介した「湖岸分岐」を左折すると、このあたりに出るようです。最初にこちらに入ってくるのも勿論ありでしょう(時間が限られていたらこちらのほうが近道で良い)。バレーパークの入園料は大人当日3200円。時間が遅かったのと1人で入って楽しめるかわからなかったので、また今度。
「ノルディクス」前には「ノルディックスクエア」という広場があり、座り心地の良い木製のチェアがあったのでゆったり掛けてしばらく宮沢湖を眺めました。下の写真の右手奥に見える堰提が今日のスタート地点でした。
こんなことを書くと怒られそうですが、行く前は「高低差もないし地味そうな道だな、楽しいのかな?」とあまり期待していなかったのですが、行ってみたら気持ちの良いコースでした。また行きたいかどうかと聞かれたら、勿論また行きたいと答えます。カヤックやボートの貸し出しもしているので、今度はメッツァ自体もゆっくり楽しみたいと思いました。
この日はサロモンのトレランシューズでやって来たのですが、普通のスニーカーでも十分歩ける道です。なおこのコースについては山と渓谷社から出ている分県登山ガイド「埼玉県の山」でも紹介されています。便利な本なので、持っていない方にはおすすめします。